2021 Fiscal Year Research-status Report
生体内因子・小胞体ストレスによる肥満・生活習慣病形成機構の分子機序解明と創薬
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18KK0463
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Research Institution | Tokyo University of Science, Yamaguchi |
Principal Investigator |
細井 徹 山陽小野田市立山口東京理科大学, 薬学部, 教授 (40379889)
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Project Period (FY) |
2019 – 2022
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Keywords | レプチン |
Outline of Annual Research Achievements |
レプチンは主として脂肪細胞より分泌され、視床下部に作用して摂食抑制・エネルギー代謝亢進作用により抗肥満活性を有するタンパク質である。現在、レプチン受容体以下のシグナル活性が低下するなどによる「レプチン抵抗性」が肥満発症の原因の一つとして問題視されている。私たちは現在までに、細胞内に異常タンパク質が蓄積することによって惹起される小胞体ストレスがレプチン抵抗性・肥満の原因である可能性を明らかにしている。しかし、その詳細なメカニズムについては不明である。昨年度までの検討の結果、bioluminescence resonance energy transfer(BRET)技術を用いたレプチン受容体のコンフォーメーショナルな変化に小胞体ストレスセンサータンパク質の一つであるIRE1α阻害薬が影響することが明らかになった。そこで今回、IRE1αがレプチン受容体と結合している可能性について検討した。FLAGとHAタグがついているコンストラクトを作成し、HEK293Tにこれらのコンストラクトを導入後、免疫沈降法で結合を検討した。様々な条件検討による検討の結果、IRE1αとレプチン受容体が結合している可能性が明らかになった。従って、レプチン受容体は小胞体ストレスセンサータンパク質と結合していることが示唆された。今後は、この結合による受容体活性やストレスセンサータンパク質の活性に対する生理的意義について明らかにしていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ蔓延による影響を受け、若干進展は遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究の結果、レプチン受容体と小胞体ストレスセンサータンパク質とが結合していることが明らかになった。本結果に基づき、来年度以降は、本結合による相互作用の生理的意義も含めてその詳細なメカニズムを明らかにしていきたいと考えている。
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