2018 Fiscal Year Research-status Report
Public-Private Partnership (PPP) for the Diffusion of Voluntary Sustainability Standards (VSS)
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18KT0002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中川 淳司 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (20183080)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福永 有夏 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (10326126)
田村 暁彦 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (70815430)
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Project Period (FY) |
2018-07-18 – 2021-03-31
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Keywords | 自主的持続可能性基準 / 公私協働 / グローバルサプライチェーン / グローバルガバナンス |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度に実施した研究の概要は以下のとおりである。 1)2018年7月にワシントンで開催された国際経済法世界学会(Society of International Economic Law)の第6回研究大会で「自主的持続可能性基準(VSS)の普及をめぐる公私協働」をテーマとするパネル報告を行った。参加者はVera Thorstensen教授(ブラジル)、Engela Schlemmer教授(南アフリカ)、Sandra Cabrera de Leicht(International Trade Centre)及び田村暁彦(共同研究者)の4名で、中川がモデレータを務めた。 2)9月にニューデリーで開催されたインド品質協議会(Quality Council of India)主催の国際会議「持続可能な貿易と基準に関する国際会議」にSchlemmer教授とRogerio Correa博士(ブラジルVSSプラットフォーム事務局)が参加し、各々南アフリカおよびブラジルにおけるVSSの普及をめぐる公私協働について報告した。 3)9月に東京で開催された科研費特設分野研究「グローバルスタディーズ」の交流会に田村教授が出席した。 4)2019年1月に、東京大学において本研究プロジェクトメンバーの研究打ち合わせを実施した。参加者は、Schlemmer教授、Correa博士、福永有夏教授(早稲田大学)、田村教授と中川である。本年度の活動を振り返るとともに、来年度以降の研究計画について打ち合わせた。引き続いて、VSSの普及をめぐる公私協働をテーマとする研究会を開催した。 5)2019年3月に、2018年度の活動をまとめた英文の研究報告書を刊行した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題は、自主的持続可能性基準(VSS)の普及をめぐる公私協働を追求する。2018年7月の国際経済法世界学会でパネル報告が認められ、このテーマに関する研究の現状と研究課題につき、有益な意見交換ができた。また、パネルに招へいした国際機関International Trade CentreのCabrera氏を通じて、持続可能性基準に関する国連フォーラム(UN Forum on Sustainability Standards, UNFSS)との交流が行われ、9月のニューデリーでの国際会議に招待されることになった。同会議で、南アフリカとブラジルにおけるVSSの普及をめぐる公私協働についてプロジェクトメンバーが報告を行った。加えて、国際会議に参加したインドその他の新興国のVSSに関する国別のプラットフォームの関係者と交流を行うことができた。 この結果、本年度は、VSSの普及を進める国際機関、新興国におけるVSSの普及を担う国別プラットフォームの関係者と交流することができた。新興国におけるVSSの普及をめぐる公私協働の現状と課題を明らかにするための、人的なネットワーク構築が行え、プロジェクトの初年度にふさわしい成果を上げることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
第2年目の2019年度は、2018年度に構築したネットワークを活用しながら、新興国におけるVSSの普及をめぐる公私協働の現状について、さらに実証的な研究を進めることが目標となる。 2019年9月に、ブラジルのリオデジャネイロで、新興国におけるVSSの普及をテーマとする国際会議の開催が予定されている。予算が許す限り、プロジェクトメンバーがこれに参加して、さらなる情報の収集と、新興国におけるVSSの普及をめぐる公私協働の現状と課題について、多くの関係者との意見交換を行うこととする。これを通じて、本研究テーマに関する国際機関及び各国の実務担当者とのネットワークをさらに発展させる。 持続可能性基準に関する国連フォーラムは、このテーマについてのデータベースを充実させるとともに、各国の現状を分析した報告書を刊行している。これらのデータ、二次資料を分析して、実証分析の枠組みの明確化を進めることとする。
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Causes of Carryover |
2018年7月に研究代表者及び研究分担者、海外の研究協力者が参加した国際経済法世界学会(Society of International Economic Law)の大会(ワシントンDC)の旅費につき、他の研究費で充当し、本助成金から充当しなかったため。 2019年9月にリオデジャネイロで開催される自主的持続可能性基準に関する国際会議に研究代表者、研究分担者、海外の研究協力者が参加することを予定しているので、このための旅費の一部に繰り越し分の助成金を充当する予定である。
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