2021 Fiscal Year Annual Research Report
Cross-boundary Studies of Rethinking of Global Studies from the Indigenous people's points of view
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18KT0005
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
池田 光穂 大阪大学, COデザインセンター, 名誉教授 (40211718)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 幸治 北海道大学, アイヌ・先住民研究センター, 准教授 (10451395) [Withdrawn]
瀬口 典子 九州大学, 比較社会文化研究院, 准教授 (10642093)
辻 康夫 北海道大学, 法学研究科, 教授 (20197685) [Withdrawn]
關 雄二 国立民族学博物館, 人類文明誌研究部, 教授 (50163093) [Withdrawn]
太田 好信 九州大学, 比較社会文化研究院, 特任研究者 (60203808) [Withdrawn]
加藤 博文 北海道大学, アイヌ・先住民研究センター, 教授 (60333580) [Withdrawn]
石垣 直 沖縄国際大学, 総合文化学部, 教授 (60582153) [Withdrawn]
細川 弘明 京都精華大学, 国際文化学部, 教授 (70165554) [Withdrawn]
丹菊 逸治 北海道大学, アイヌ・先住民研究センター, 准教授 (80397009) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2018-07-18 – 2022-03-31
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Keywords | グローバル・スタディーズ / 先住民 / アイデンティティ / 遺骨返還 / 博物館 / 文化提示 / 研究倫理 / 先住民学 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2(2020)年度末をもって、研究代表者の池田と分担者の瀬口を除き、それ以外の研究分担者の研究を終了している。令和3(2021)年度の池田は先住民を研究対象とする調査研究の倫理について考察すると共に先住民学のシラバス構成について、カリキュラム試案をつくりその成果をウェブで公開した。瀬口は、明治以来のアイヌ遺骨収集、1980年に本格的に始まったアイヌの遺骨返還要求、政府の遺骨返還指針に至るまでの歴史を中心に調査し、アメリカのNAGPRAの歴史を交えながら調査内容をまとめた。その結果、米国でのNAGPRA施行後の30年の間に研究者と先住民はお互いに信頼関係の構築に努め、先住民が提案するリサーチクエスチョンに基づき協働研究を続けており、NAGPRAによる返還は研究を阻止したわけではなく、隣接分野も含めた脱植民地化の過程にあることが明らかになった。その成果を第91回アメリカ生物人類学会大会でのシンポジウムEthics in the Curation and Use of Human Skeletal Remainsにおいて瀬口は発表した。池田と瀬口は京都地裁で公判中である琉球遺骨返還請求訴訟団の主催するシンポジウムに参加し、脱植民地化に貢献しつつある米国のNAGPRAの経験から、日本における遺骨返還の停滞が打開される可能性について議論をもった。その結果、日本の人類学会や考古学協会が、調査対象になっている先住民や地域住民に対して、未だ人道的配慮を欠き研究優先の傾向が払拭されていないことが明らかになった。
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Research Products
(12 results)