2020 Fiscal Year Annual Research Report
Time-series muti-layered omics analysis during gestation period towards precision medicine
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18KT0015
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長崎 正朗 京都大学, スーパーグローバルコース医学生命系ユニット, 特定教授 (90396862)
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Project Period (FY) |
2018-07-18 – 2021-03-31
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Keywords | ライフログ / オミクス / メタボローム / 妊娠期間 / 出産 / 統合解析 / ロジスティック回帰 |
Outline of Annual Research Achievements |
妊娠期間中は、生体内の環境がめまぐるしく変化する。そのため、生体内が非妊娠期間中と異なる状態となることでさまざまな疾患が発症してくる。例えば、妊娠高血圧症候群はいまだ原因不明の多因子疾患であり、母児への短期・長期的なリスクから、次世代の成育にかかる重要な健康問題となっている。年間約100万人の児が日本では産まれるがそのうち約5%以上の妊婦が罹患する。近年、次世代シークエンサを中心とした計測技術の向上、情報科学の進展により、本疾患に対して遺伝因子・環境因子を統合的に解析することで、原因の解明と共に新しい早期診断法・治療法の開発が望まれている。 そこで、妊娠期間中の日本人の妊婦の方から得られた、時系列多層オミクスプロファイリングの情報に対し、経時的な変化を仮定した数理モデルを適用することで、妊娠糖尿病、妊娠高血圧症、高血圧(妊娠高血圧除く)、児の性別、経産婦かどうかに関連するマーカー候補の探索を進めた。さらに、これらのマーカーに関連する生体内の機能群についても同定をおこない、オミクスプロファイリングから一部の形質の予測を行うこともできた。 本研究において、妊娠期間中の児の性別、経産婦かどうかなどの形質、妊娠糖尿病、妊娠高血圧症、高血圧(妊娠高血圧除く)などの疾患に関連する遺伝子群および、関連する機能グループを同定することができた。さらに、一部非侵襲の情報からの予測においても一定の成果が得られている。国内外での独立した調査研究などにより、本研究で得られた候補が検証されることで、原因の解明に近づくとともに、新しい早期診断法・治療法の開発が進んでいくと考えている。
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