2018 Fiscal Year Research-status Report
脳動脈瘤治癒過程における血栓化ダイナミクスを説明する数理モデルの構築と臨床応用
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18KT0025
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
杉山 由恵 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (60308210)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木 高伸 早稲田大学, 理工学術院, 主任研究員(研究院准教授) (00468852) [Withdrawn]
中村 匡徳 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20448046)
石井 暁 京都大学, 医学研究科, 講師 (30467469)
青木 友浩 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (40633144)
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Project Period (FY) |
2018-07-18 – 2023-03-31
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Keywords | 血栓形成の数理モデル / 脳動脈瘤 / 動物モデル / 血栓化ダイナミクス / ステント留置 / 留置シミュレータ |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者が構築している「血液細胞を未知関とした血栓化過程を再現する数理モデル」を利用し、ステント留置時の脳動脈瘤内における血流動態をCFDシミュレーションを試作した。同シミュレーションは、分担者である中村匡徳氏(名工大)と青木友浩氏と代表者が連携し作成ている。具体的には、青木氏が樹立した脳動脈瘤発生の動物モデルから取得したラットの実血管形状(脳動脈瘤病態を有する)を用い、かつ中村氏が作成した留置シミュレータを用いてシミュレーションを行った。コーディングは、OpenFOAMを用いている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
留置シミュレータの試作が予定より早く稼働し、かつ実血管形状を用いながらも、ステント留置を模擬した血管形状で、代表者の構築している「血栓形成の数理モデル(自由境界条件を含む)」により脳動脈瘤の血行動態をシミュレーションすることに成功した。自由境界条件は取り扱いが難しく困難が予想されたが、想定より早期到達となった。
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Strategy for Future Research Activity |
血栓化過程をシミュレーションすることには成功している。一方で、初期血栓形成過程については、従来研究からの医学知見は皆無である。本研究では、分担者である石井氏がラビットの頸動脈を利用し、初期血栓形成化過程を詳らかにする予定であり、現在は実験実施過程にある。同研究成果が得られることにより、現時点で仮説としている「初期時刻からの局所時間現象」について、数理モデル化が可能となる。これによって、現象事実を反映するシミュレーションの展開など、実現象の視覚化に向けた発展を期待できる。
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Causes of Carryover |
理由1:ラビット実験の実験プロトコル作成に時間を要している。 理由2:CFD解析に時間を要したため、シリコン瘤実験を翌年度に持ち越したため。
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