2021 Fiscal Year Research-status Report
Improving cultivation method and commercialization of sago palm with interdisciplinary approaches
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18KT0041
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
江原 宏 名古屋大学, アジア共創教育研究機構(農国), 教授 (10232969)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 聡 宮城大学, 食産業学群, 教授 (00289729)
竹下 広宣 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (00434100)
菊田 真由実 名古屋大学, アジア共創教育研究機構, 特任助教 (20788418)
遅澤 克也 愛媛大学, 国際連携推進機構, 教授 (30233539) [Withdrawn]
内藤 整 倉敷芸術科学大学, 生命科学部, 教授 (40252902)
三島 隆 三重大学, 生物資源学研究科, 准教授 (40314140)
平尾 和子 愛国学園短期大学, その他部局等, 教授 (50156642)
内山 智裕 東京農業大学, 国際食料情報学部, 教授 (80378322)
近堂 知子 共立女子大学, 家政学部, 教授 (90348607)
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Project Period (FY) |
2018-07-18 – 2023-03-31
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Keywords | サゴヤシ / 栽培管理 / 土壌水分 / 澱粉 / グレーディング / サプライチェーン |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)栽培技術の高度化に向けて,サゴヤシ苗を圃場容水量,地下部の深さ50%を水没させた場合,80%を水没させたて栽培した場合,地上部,地下部の成長に有意な差はみられず,サゴヤシが多様な土壌水分条件に適応できることが改めて確認されたものの,50%区で草丈の伸長,気根ならびに全根重が大きい傾向もみられた。また,根の窒素濃度が80%区で圃場容水量区より有意に低くなったことから,湿地条件であっても地下水位を根圏の半分程度までとすることで,良好な成長が期待できるものと考えられた。さらに,葉柄の非構造性炭水化物含量および澱粉含量が80%区で低く,あるいは圃場容水量と湛水条件で比較した場合にも,湛水区では炭水化物含量のレベルが低くなったことからは,長期間の湛水は幹に蓄積される澱粉含量の上昇を抑え,サゴヤシの経済的価値を低下させる危惧のあることが窺われた。 (2)サゴ澱粉グレーディングに関しては,インドネシアの国内市場で出回っているサゴ澱粉と,本邦企業が日本に輸入して販売するサゴ澱粉の成分を比較したところ,国内市場の試料においては炭水化物含量と澱粉含量に差異が認められたことから,大きな量ではないものの夾雑物が混入していることが窺われた。 (3)サプライチェーンについては,1) 小規模農家によるサゴ澱粉の商品価値向上に成果が現れにくいのは,上流から下流へのサプライチェーンの非効率性が原因であり,価値の付加のためには,成長市場の要件を満たす製品を提供するために必要な知識と能力をサゴ農家に提供する必要があること,2) 小規模農家がサゴ澱粉を乾燥した上で出荷することができれば,未乾燥の生澱粉での出荷に比べて価値を付加し得ること,3) サゴ澱粉の価格,GDP,高齢化人口率,関税割当政策が,日本のサゴ澱粉輸入に影響を与える重要な要因であることを明らかにできた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究では, (1) サゴヤシ栽培標準手順書の作成-(a) 栽培クイックマニュアルの作成,(b) 肥培管理指針の検討,(2) サゴ澱粉グレーディングシステムの確立,(3) サゴ澱粉の用途拡大,(4)バリューチェーン分析を行い,サゴヤシを真の地域資源として開発して商品作物化し,関連地場産業の育成を通じた食料生産と栄養改善の強化に資することを目的としている。研究計画の主要小課題は順調に進展してきたが,2019年度第4四半期以降,新型感染症の影響拡大により研究代表者および分担者の現地への出張が叶わず,サゴヤシの商品作物化に向けた生産地域での活動が推進できていない状況が2021年度においても続いた。研究代表者自身も新型コロナ感染症を患い,研究の進捗が危惧されたが,生産国の協力者からの試料提供を受けるなどして,国内での分析と解析を中心に取り組むとともに,これまでの成果の取りまとめと公表に努めた。それらの成果として,6編の国際誌への論文を掲載(含受理),栽培生理に関しては,インドネシア語での専門学術書「サゴヤシの生態生理」をIPB大学出版から刊行,英語での専門学術書「泥炭地のエコマネージメント」(Springer)では泥炭地のサゴヤシに関する章を執筆して刊行し,日本語による専門学術書「熱帯作物学」(朝倉書店)の刊行に当たってサゴヤシの節を執筆することができた(年度末で校了)。
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Strategy for Future Research Activity |
依然として研究者が日本からサゴヤシ生育地に出向いての調査開発に困難な状況が続いているが,ブースター接種を行なった場合には,出国と現地国への入国の規制が緩和となっていることから,本年度は渡航のチャンスを伺いながら,国内においては澱粉試料のミネラル分析,粘度やゲルの物性などの比較を進め,グレーディングシステムの整備,国内市場向けと国際市場向けの澱粉の至適な用途開発情報を取りまとめていく予定である。
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Causes of Carryover |
新型感染症の影響で一部の海外等での活動が行えなかったことから繰り越しとした。
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Research Products
(15 results)
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[Book] Ekofisiologi Sagu2021
Author(s)
Bintoro, H. M. H., Ehara, H., Azhar, A., Dewi, R. K., Nurulhaq, M. I., Ahyuni, D.
Total Pages
167
Publisher
IPB Press
ISBN
978-623-256-832-7
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[Book] Sago palm in peatland. In: Osaki, M., Tsuji, N., Foead, N. and Rieley, J. eds., Tropical Peatland Eco-management2021
Author(s)
Ehara, H., Kakuda, K., Miyazaki, A., Nakamura, S., Naito, H., Nitta, Y., Okazaki, M., Sasaki, Y., Toyoda, K., Watanabe, A., Watanabe, M., Yamamoto, Y., Kimura, S. D. and Goto, Y.
Total Pages
817
Publisher
Springer
ISBN
978-981-33-4654-3