2019 Fiscal Year Research-status Report
センシング情報の真正性を保証する物理層におけるトラスト基盤の確立
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18KT0050
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
林 優一 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (60551918)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 大介 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (60732336)
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Project Period (FY) |
2018-07-18 – 2021-03-31
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Keywords | 電磁波セキュリティ / 計測セキュリティ / 真正性保証 / 故障利用解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
センシング情報の真正性を保証する基盤技術開発を開発するために、①環境電磁波を認証情報としたセンサ入力部に対するデータ改ざん検出技術の開発、②機器内部の電磁界分布センシングによるデータ改ざん検出技術の開発、③データ変換時に生ずる電磁的な特徴量を用いたセンサ認証技術の開発を遂行した。 具体的には、センサ入力部に対するデータ改ざん検出に関しては、センサ入力部を情報機器のI/Oで模擬し、複数の情報機器を対象に改ざんを実行し、その際に生ずるデバイス周囲の電磁環境の変化を計測した。そして、機器内外のデータ改ざんを検出するための特徴量について検討を行い、特徴量を用いた改ざん検出手法についてもハードウェアセキュリティ分野や環境電磁工学分野の国際会議及び論文誌で提案を行った。また、機器内部の改ざんにおいてはA/D変換器に着目し、電気的な外乱が機器内部に到達したことを想定し、アナログ信号がディジタル信号に変換される際、値が改ざんされる可能性について検討を行った。 認証技術に関してはデータ入力変換部とそれが実装された基板も含めたシステム全体から生ずる電磁的な特徴量に着目し、フランスTelecom ParisTechのJean-Luc Danger教授の研究グループとの国際連携を通じて開発を進め、当該分野の主要な国際会議に論文を投稿し、採録されている。さらに、機器設計段階におけるセキュリティ評価を行うために、意図的な電気的外乱への耐性を評価可能な基礎的なシミュレーション環境の構築を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①環境電磁波を認証情報としたセンサ入力部に対するデータ改ざん検出技術の開発、②機器内部の電磁界分布センシングによるデータ改ざん検出技術の開発、③データ変換時に生ずる電磁的な特徴量を用いたセンサ認証技術の開発のそれぞれについて研究を進めると共に、各知見を有機的に融合させ、本研究課題の達成目標であるセンシング情報の真正性を保証する基盤技術の開発を遂行した。①から③の各研究成果は当該分野の主要な国際会議、論文誌に採択されており、研究は当初の計画通り順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、今年度までに構築した計測・評価環境、シミュレーション環境を用いて、①環境電磁波を認証情報としたセンサ入力部に対するデータ改ざん検出技術の開発、②機器内部の電磁界分布センシングによるデータ改ざん検出技術の開発、③データ変換時に生ずる電磁的な特徴量を用いたセンサ認証技術の開発を継続すると共に、得られた成果を融合させ、④真正性の保証されたデータを提供するセンシング基盤の構築を行う。
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Causes of Carryover |
センサ入力部に対するデータ改ざん検出を行うために評価用基板を作成する予定であったが、この改ざん評価は汎用的な情報機器に搭載されたI/OやADCを用いて同等の評価を行うことができたため、評価用基板として計上していた予算を次年度に繰り越すこととした。また、汎用的な情報機器を用いた高精度な評価には、これまで開発した計測環境の精度向上が必要となるため、繰り越した予算はこれに充てる。
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Research Products
(17 results)