2020 Fiscal Year Research-status Report
内戦原因の歴史的時間:前植民地期・植民地期の残滓と国家・国際社会の役割
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18KT0054
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
伊藤 岳 広島大学, 人間社会科学研究科(国), 助教 (80773895)
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Project Period (FY) |
2018-07-18 – 2022-03-31
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Keywords | 武力紛争 / 内戦 / 空間データ / 地理情報システム(GIS) / 歴史的現象の長期的影響 |
Outline of Annual Research Achievements |
植民地化以前の民族集団の居住分布や植民地化によるその分断,植民地の政治・経済制度的な残滓や独立後の政治体制は,国内平和をいかに,なぜ規定するのか。より一般的に,植民地化前・植民地期・植民地後の要因は内戦の生起をいかに,なぜ左右するのか。歴史的背景・文脈は,民主主義体制や介入・援助のような政治制度・政策的処方箋の有効性をいかに,なぜ規定するのか。また,その背後にはいかなる因果メカニズムが働くのか。本研究は,歴史地図・史料のデータ化と地理情報システム(GIS)を活用した計量分析を通して,こうした一連の問いに回答する。
本研究は主に,(1)史料・歴史地図を用いたデータセットの構築,(2)内戦の歴史的・長期的原因の検証,および(3)歴史的要因と現代的要因の相互作用の検証の3つの作業に取り組む。2019年度までは分析対象を内戦のみに絞っていたが,2020年度はクーデターや権力分掌のような,内戦と密接に関連する他の国内政治現象や政治制度にも視野を広げつつ,研究を進めた。特に,民族集団が経験した奴隷貿易被害のような過去の現象が,内戦,クーデター,権力分掌といった(互いに関連する)現在の政治現象に与える長期的影響に着目し,歴史的な空間データを活用した実証研究を進めた。
具体的な研究成果として,2019年度から投稿していた論文がJournal of Peace Research誌に掲載されたほか,2020年度に新たに執筆した論文も国際誌に投稿することができた。新型コロナウイルスの影響もあり,学会発表・研究報告等は例年に比べて少なくなってしまったが,2021年度まで研究期間を延長の上,他の成果の公開も進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
一部成果を論文等の形で公表することができた一方で,全体的にやや計画が遅れた。上述の通り,論文1本が国際誌に掲載され,新たに執筆した論文も国際誌に投稿することができたものの,新型コロナウイルスの影響もあり,学会発表等の成果は例年に比べて少なくなってしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は,具体的な成果も提出できたものの,研究計画がやや遅れてしまった。研究計画を2021年度まで延長の上,分析と成果発信に取り組み,研究計画を推進する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の発生と拡大のため,国内および国外移動を伴う研究報告が中止あるいはオンライン開催となり,その他の出張も中止した。また,当初予定していた分析等の作業もやや遅れたことに伴い,物品等の支出予定も一部見直した。これらに伴い支出しなかった費用を次年度(延長期間)の物品費・旅費等に充てながら,研究計画の遅れを取り戻し研究計画を進める。
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Research Products
(5 results)