2021 Fiscal Year Research-status Report
内戦原因の歴史的時間:前植民地期・植民地期の残滓と国家・国際社会の役割
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18KT0054
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
伊藤 岳 広島大学, 人間社会科学研究科(国), 助教 (80773895)
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Project Period (FY) |
2018-07-18 – 2023-03-31
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Keywords | 武力紛争 / 内戦 / 空間データ / 地理情報システム(GIS) / 歴史現象の長期的影響 |
Outline of Annual Research Achievements |
植民地化以前の民族集団の居住分布や植民地化によるその分断,植民地の政治・経済制度的な残滓や独立後の政治体制は,国内平和をいかに,なぜ規定するのか。より一般的に,植民地化前・植民地期・植民地後の要因は内戦の生起をいかに,なぜ左右するのか。歴史的背景・文脈は,民主主義体制や介入・援助のような政治制度・政策的処方箋の有効性をいかに,なぜ規定するのか。また,その背後にはいかなる因果メカニズムが働くのか。本研究は,歴史地図・史料のデータ化と地理情報システム(GIS)を活用した計量分析を通して,こうした一連の問いに回答する。
本研究計画は主に,(1)史料・歴史地図を用いたデータセットの構築,(2)内戦の歴史的・長期的原因の検証,および(3)歴史的要因と現代的要因の相互作用の検証の3つの作業に取り組む。2021年度は前年度に引き続き,内戦,クーデターや権力分掌のような,国内における武力衝突とそれ密接に関連する他の国内政治現象や政治制度を中心に,歴史的・長期的原因を巡る研究を進めた。さらに,ベトナム戦争における米軍の戦闘記録を用いた新たなデータ作成と分析にも取り組んだ。
具体的な研究成果として,論文2本が日本語・英語書籍各1冊に所収され出版されたほか,他の英語論文も国際誌に投稿することができた。また,ベトナム戦争期の米軍の戦闘記録を用いたデータ作成も進めることができた。新型コロナウイルスの影響もあり,やや遅れた作業もあるが,2022年度まで研究期間を延長の上,他の成果の公開も進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
一部成果を論文等の形で公表することができた一方で,全体的にやや計画が遅れた。上述の通り,論文の投稿・公刊を進めることができたが,新型コロナウイルスの影響もあり,データ作成等の作業にやや遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画を2022年度まで延長の上,執筆済みの論文の公刊に向けた修正作業等を進めるほか,2021年度に完了できなかったデータ作成とそれを用いた分析,およびその結果をまとめた論文を中心に,研究計画を進める。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の発生と拡大のため,国内および国外移動を伴う研究報告が中止あるいはオンライン開催となったほか,その他の出張も中止した。また,当初予定していたデータ作成・分析等の作業もやや遅れたことに伴い,物品等の支出予定も一部見直した。これらに伴い支出しなかった費用を次年度(延長期間)の物品費・旅費等に充てながら,研究計画の遅れを取り戻し研究計画を進める
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Research Products
(5 results)