2020 Fiscal Year Research-status Report
付加製造技術を用いた人工物の適応的アップグレードに関する実証研究
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18KT0060
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
福重 真一 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (10432527)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舘野 寿丈 明治大学, 理工学部, 専任教授 (30236559)
高本 仁志 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 研究部門付 (30613244)
木下 裕介 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 講師 (60617158)
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Project Period (FY) |
2018-07-18 – 2022-03-31
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Keywords | リユース / 付加製造 / CAD |
Outline of Annual Research Achievements |
様々な世代・機種の使用済み製品からリユース可能な部品を取り出し、それらの部品形状に応じて受け入れ側の製品形状を柔軟に変化させるという「適応的リユース」の概念を実証するため、ホームアシスタントロボットを例題として本研究で開発した設計手法を適用した。 まず、ホームアシスタントロボットと使用済み製品として用いるスマートフォンの機能-構造図をそれぞれ作成し、それらを参照しながらスマートフォンから取り出した液晶パネルモジュールがロボットの中で新たに担う機能を決定した。つぎに、このリユース部品に要求される性能の範囲、およびアダプタの形状を変化させる範囲を3D-CADモデルを用いた様々なシミュレーションの結果に基づき決定した。最後に、複数のスマートフォンから取り出した液晶パネルモジュールの形状をそれぞれ計測し、その3次元データに基づいて付加製造によりアダプタを個別に出力することで、同じ形状・機能・性能を持つホームアシスタントロボットを複数台製造した。 以上の実験により、付加製造技術によって製造したアダプタを用いることで、多様な形状のリユース部品を新規製造製品に組み込む設計・製造プロセスの検証を行った。この実験により得られたデータを解析することで、適応的リユースの経済的・環境的効果や適用可能な製品の種類を明らかにすることが可能となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ホームアシスタントロボット以外にも、様々な製品を対象とした適応的リユースの実証実験を行う予定であったが、新型コロナウィルス感染症の影響により実験に必要な時間を十分に確保することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
自転車、オフィス家具、掃除機など様々な工業製品を対象とした適応的リユースの実証実験を行い、得られたコスト・エネルギー・資源消費に関するデータに基づいて、本研究で開発した設計製造プロセスが製品の資源循環プロセス全体に与える影響を見積もる。
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Causes of Carryover |
2020年度は、ホームアシスタントロボット以外にも、様々な製品を対象とした適応的リユースの実証実験を行う予定であったが、新型コロナウィルス感染症の影響により実験に必要な時間を十分に確保することができなかった。そこで2021年度に、自転車、オフィス家具、掃除機などを対象とした追加実験を行い、得られたコスト・エネルギー・資源消費に関するデータに基づいて、本研究で開発した設計製造プロセスが製品の資源循環プロセス全体に与える影響を見積もる。このため、中古製品の購入費用に加えて、LCAデータベースのライセンス費用が必要となる。
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