2019 Fiscal Year Research-status Report
人工物システムの持続的運用のための自動シナリオ生成とそのシミュレーション
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18KT0061
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
畠中 利治 大阪大学, 情報科学研究科, 助教 (10252884)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内種 岳詞 愛知工業大学, 情報科学部, 講師 (70710143)
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Project Period (FY) |
2018-07-18 – 2021-03-31
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Keywords | 進化計算 / 実験計画 / 多因子最適化 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度から引き続き,ある地域の地図情報および人口データをベースにした避難シミュレーションを事例として,避難行動へ影響を及ぼす要因のシミュレーションに基づく発見法を検討している.具体的には,ランダムに設定した要因の組合せを複数作成し,それらに対して並列にシミュレーションを実行することで得られる最大避難時間への影響の度合いを評価する手法を考えており,そこで必要となる評価関数のデザインを検討している.このアプローチは,繰り返しそのシミュレーションを行うこととその評価に基づく進化であることから,この手法は進化計算の枠組みで記述でき,一連の成果を 2019 IEEE Congress on Evolutionary Computation 2019 で報告した. また,分担者は,エージェントの行動モデルの構築を目的にした,人流計測に着手した.地下街に設置したWiFiスポットにおいて,スポット内のWiFi端末のIDのみを計測することで,WiFiエリア内の停留人口の推移を計測するものである.計測法およびある計測結果について,計測自動制御学会システム情報部門の社会システム部会研究会で報告した. また,人工物の設計や維持管理の問題は,ある設計変数の組に関する単純な単目的最適化ではなく,同時に異なる説明変数セットと複数の目的を考慮してなされることを踏まえ,多因子最適化の枠組みからアプローチすることが有用となると考えている.そこで,進化型多因子最適化の基本的研究に着手した.その,あるベンチマーク問題への適用例について,2019 IEEE Congress on Evolutionary Computation および 2019 IEEE International Conference on Systems, Man and Cybernetics で発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度は分担者の異動があり,新しい研究環境の立ち上げ等で,遅れがでた.また,後半には,代表者の異動が決まり,その準備等で予定していた実験が実施できないなどの影響があった.そのため,やや遅れていると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
避難シミュレーションにおける進化計算型のアプローチによる要因の探索法については,現時点の成果で論文投稿を行う予定である.進化を駆動するための評価法が事例ベースなのか,問題によらない設計ができる可能性があるのかという点は,次年度の検討とし,他の事例でのシミュレーションと評価を行う. エージェントモデルの妥当性評価が必要と考えられ,その基礎となる人流計測を避難を想定した行動のもとで実施することを検討する.ただし,COVID19の影響で実際の実験を遂行することは困難であるため,そのためのシミュレーション実験のデザインへ研究課題はシフトすることを想定している. 進化的多因子最適化については一定の成果があったと考えられ,論文投稿へ向けた準備を行う.
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