2019 Fiscal Year Research-status Report
体内時計制御を担う細胞時計の組織内・組織間同調機構の解明
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18KT0068
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Research Institution | Komatsu University |
Principal Investigator |
平山 順 公立小松大学, 保健医療学部, 教授 (90510363)
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Project Period (FY) |
2018-07-18 – 2021-03-31
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Keywords | 体内時計 / 細胞時計 / ゼブラフィッシュ / 転写 / 光 |
Outline of Annual Research Achievements |
体内時計は、行動、睡眠、および代謝といった多様な生理機能に観察される約24時間の周期変動を作り出し、その変動の位相(時刻)を外環境の昼夜の変化に同調させる恒常性維持機構である。この機構は、生物の組織を構成する個々の細胞に存在する日周性を持つ転写機構(細胞時計)が基本単位である。脳組織に存在する細胞時計は中枢時計を構成し、各末梢組織に存在する細胞時計は末梢時計を構成する。正常な体内時計の形成には、1)細胞時計が光刺激に応答し、組織内で互いに同じ時刻に同調し組織レベルの時計を形成すること、および2)各組織レベルの時計の時刻の関係が適切に維持されることが必須である。本研究は、既に作出済みの細胞時計の組織内同調が破綻した遺伝子改変ゼブラフィッシュを用いて、課題1:細胞時計が生体組織内で互いに同調する機構、課題 2:中枢時計と末梢時計と位相関係の維持機構を解明することを目指している。これまでの研究は、細胞時計の組織内同調が破綻し、光依存的な行動リズム形成に異常を呈する遺伝子改変ゼブラフィッシ(zPer2/zCry1a DKO個体)の行動リズムの光依存的な形成を回復させる化合物を選定に成功している。選定した化合物の標的分子は既知であるので、本年度は、選定した化合物の標的分子のKO個体の作出とその行動リズムの解析を進めた。また、中枢時計と末梢時計を個別に可視化できるトランスジェニックゼブラフィッシュの作出を進めた。これまでに、各時計を可視化できる候補個体を選定できている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目的の一つであるDKO個体の行動リズムを回復させる化合物の選し、その標的分子の遺伝子改変個体の作出と解析が進んでいる。また、中枢時計と末梢時計を可視化するための遺伝子改変ゼブラフィッシュの作出が進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
zPer2/zCry1a DKO個体を用いたサプレッサースクリーニングにより選定した化合物の標的分子の遺伝子改変個体の行動リズムの解析と細胞時計の光同調能の評価を行う。また、中枢時計と末梢時計の位相関係を可視化するために必要となる遺伝子改変ゼブラフィッシュの作候補個体の中から、可視化に最適の個体を選定し、中枢時計と末梢時計の位相関係に影響を与える化合物の選定を進める。
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Research Products
(10 results)