2020 Fiscal Year Research-status Report
世界の「見え」の共有技法の研究:視覚障害者と晴眼者の相互行為分析
Project/Area Number |
18KT0080
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
秋谷 直矩 山口大学, 国際総合科学部, 准教授 (10589998)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南 保輔 成城大学, 文芸学部, 教授 (10266207)
西澤 弘行 常磐大学, 人間科学部, 教授 (50296068)
佐藤 貴宣 京都大学, 人間・環境学研究科, 特別研究員(PD) (50737070)
坂井田 瑠衣 国立情報学研究所, 情報社会相関研究系, 特任研究員 (90815763)
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Project Period (FY) |
2018-07-18 – 2022-03-31
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Keywords | 視覚障害 / 歩行訓練 / エスノメソドロジー / 会話分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究プロジェクトの本年度の研究実績は、認知科学研究班と障害学研究班によるものが中心となった。 認知科学研究班は、「複感覚」や「共同注意」といった認知科学的トピックを、エスノメソドロジー・会話分析の観点による歩行訓練場面の分析を通して、人びとの実践内在的に観察可能なやり方で達成されるものである点を明らかにした。障害学研究班は、障害児に対する教育・就学における包摂と排除の論理について、インクルーシブ教育の実践および就学運動言説の検討を通して明らかにした。 これらの研究実績は、視覚障害者と晴眼者の社会的関係を検討し、よりよいものへと再設計しようとする際、相互行為的に達成される共在の技法と制度的場面における社会的包摂・排除の技法それぞれが実践内在的に観察可能なやり方で達成されているところを出発点とすべきであるという発展的視点を提供するものでもある。 なお、本年度は新型コロナウィルス感染症の流行により、国際学会への参加や追加調査、本研究プロジェクトの最終年度の総括などについて、当初の計画を大きく見直すことを余儀なくされた。また、本研究プロジェクトの参加研究者間の研究会や打ち合わせも大きく制限されることとなった。とりわけ上半期はその社会的混乱の最中にあり、研究遂行に大きな支障が生じた。下半期からは遠隔コミュニケーションツールの導入や、学会・研究会の遠隔対応など、研究を遂行する環境が徐々に整備されたものの、新型コロナウィルス感染症の収束の見込みも立たない状況は続いた。以上により、本研究プロジェクトは、2020年度が最終年度であったが、1年延長申請することとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要に書いたとおり、本研究プロジェクトは2020年度が最終年度であったが、新型コロナウィルス感染症の流行拡大により、最終成果の公表などが十分に進められなかった。そこで、1年延長申請することとなった。 以上により、「やや遅れている」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、昨年度に引き続き新型コロナウィルス感染症の流行が続く見込みのもと、既存データの分析と論文執筆、発表による成果の取りまとめにつとめる。
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Causes of Carryover |
2020年度は、新型コロナウィルス感染症流行拡大により、追加調査や成果報告に大きく制限がかかった。そこで、本研究プロジェクトは2020年度が最終年度であったが、1年延長することとした。以上の次第で、2020年度に追加調査や成果報告等の用途で使用予定であった費用を次年度繰越とした。
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Research Products
(8 results)