2019 Fiscal Year Research-status Report
作成者・使用者からみた伝統建築用語の変遷に関する研究:オラリティからリテラシーへ
Project/Area Number |
18KT0081
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
中西 大輔 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 研究員 (20727672)
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Project Period (FY) |
2018-07-18 – 2021-03-31
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Keywords | 賀茂別雷神社 / 建築大辞典 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、近世以前に各地で使用された建築に関する用語が近代になって統一されていく過程を明らかにしようとするものである。昨年度は、歴史的資料のなかで用いられている建築用語の収集、現代の辞書に収録されている用語の把握、用語の転換点となる近代における建築活動の実態調査、を行なった。本年度はこれらの調査をさらに進めた。概要と今後の予定を以下に示す。 1、古文書から建築用語の収集を行なった。また、比較のため土木史に関する既往研究から土木用語を収集した。来年度も引き続き用語の収集・解明を続ける。 2、辞書に収録された用語の把握を行なった。とくに建築大辞典に収録されている用語をデーター化した。また、データーベース化を試みるにあたり、交流会会場において言語学に関する貴重な助言・情報をいただいた。来年度は建築大辞典に収録されている用語を中心にデーターベースの構築を開始する予定である。なお、このデーターベースには上記1で収集した用語についても随時登録することを検討している。 3、近代の建築活動の実態調査を行なった。とくに、建築技術者の養成事例を対象とした。具体的には、これまでに行なった建築技術者養成に関する調査結果を基礎として、さらなる調査を行ない、技術者養成を担った大工について結果をまとめた。来年度も調査を継続し、養成された技術者自体について明らかにする。また、技術者側の文書に加え、寺社側・行政側の文書についても調査を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度の遅れを取り戻すことに予想以上の時間がかかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は今年度までの調査を継続するとともに、計画にあげた調査研究を進める。そのうえで、成果をまとめる。
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Causes of Carryover |
(主な理由) 当初予定していた調査・学会参加などが一部延期となったため。 (使用計画) 上記調査・学会参加のための旅費等に充てる。
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