2020 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of fish meat quality improvement by chrono nutritional approach
Project/Area Number |
18KT0093
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
平坂 勝也 長崎大学, 海洋未来イノベーション機構, 准教授 (70432747)
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Project Period (FY) |
2018-07-18 – 2021-03-31
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Keywords | 時計遺伝子 / 脂質代謝酵素 / 筋肉 / 中性脂肪 / BMI |
Outline of Annual Research Achievements |
時間栄養学(栄養学を時間生物学の立場から扱う)に着目した魚類筋内脂肪量の調節が可能となるかどうか解析を行った。具体的には、時計遺伝子の振幅に合わせた給餌(明・暗給餌)試験を行い、体重及び標準体長、肥満度を計測し、背部普通筋における中性脂肪量(TG量)と脂質代謝関連遺伝子(17種)の発現量を測定した。2ヶ月間の給餌実験で、標準体長は暗期群が明期群に比べ小さく、体重は暗期群が明期群よりやや高値であった。BMI(体格指数)は暗期群が明期群よりも有意に高値を示した。明暗期群ともに筋肉中TG量は給餌期間の延長に伴い増大したが、明期群では体重と筋内TG量との間に正の相関関係が見られるのに対して、暗期給餌群では両者に関係性が認められなかった。脂質代謝関連遺伝子の発現量は、時計遺伝子結合配列を有する遺伝子において、明期と暗期間に差が認められた。脂質代謝関連遺伝子HSL2, DGATa, ACC2, CPT1b, PPARδb, SREBP1, PGC-1αは、2カ月目において、明期暗期間に有意な差異が認められ、DGATa以外の遺伝子は時計遺伝子結合配列を上流に有していた。その中でも、β酸化の律速酵素として知られているCPT1bの発現は給餌2ヶ月目において、明期と暗期間に顕著な差が認められた。さらに、時計遺伝子結合配列を遺伝子の上流に持つPPARγが、暗期給餌1ヶ月目においてやや高値を示したことからPPARγアゴニスト投与実験を行った。PPARγアゴニスト投与は筋内脂肪分化マーカーに変化はみられなかったが、肥満度は高値を示す傾向がみられた。以上より、給餌タイミングの違いが筋肉内脂肪蓄積に影響する可能性が示唆された。
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