2021 Fiscal Year Annual Research Report
A Study on Construction of the Japanese closed claim database
Project/Area Number |
18KT0099
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
大滝 恭弘 帝京大学, 医療共通教育研究センター, 教授 (60464004)
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Project Period (FY) |
2018-07-18 – 2022-03-31
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Keywords | クローズドクレーム / 医療クレーム / 医事紛争 / 医療事故 / 医療過誤 / クライシスマネジメント |
Outline of Annual Research Achievements |
医療事故情報源の一つに、病院・医師賠償責任保険を取り扱う保険会社の保有するクローズドクレーム(法的に決着の付いたクレーム)が存在する。米国では、以前から医療事故情報の一つとしてクローズドクレームが注目されており、その研究・分析成果は臨床に還元されて、医療の各領域における医療安全の向上に寄与してきた。もっとも、これまで本邦では、様々な事情により、クローズドクレームの研究・分析は行われてこなかった。我々は、本邦における同分野のリーディングカンパニーである損保ジャパン株式会社(SJ社)の協力のもと、本邦ではじめてクローズドクレーム分析研究を開始し、医療事故情報源の一つとしてのクローズドクレームの有用性を明らかにして、その分析成果の日常の臨床への還元可能性を示してきた。その結果、さらなるクローズドクレームの活用のためには、クローズドクレームを収集・分類・整理することが必要であると考え、本研究を開始した。2018年度は、まず、クローズドクレームデータベースの構築に必要な情報を抽出し、項目の整理を行った。次いで、試作版のクローズドクレームデータベースの開発に着手した。2019年度は、データベースの試作版を構築し、あらかじめ定義した要件に従って、2018年度にSJ社の東京支社で処理された約1200件のクローズドクレームの入力を開始した。2020年度は、2019年に開始した約1200件のクローズドクレームの入力を完了した。最終年度の2021年度は、入力された1200件を校正し、破綻した診療過程、患者の転帰、賠償金支払いの有無のコーディングを行い、試作版のクローズドクレームデータベースが完成した。残りの課題として、①入力されたクローズドクレームデータの解析、②これをもとにした実用化版クローズドクレームデータベースの構築への挑戦があり、今後の研究につなげたい。
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