2010 Fiscal Year Annual Research Report
金属ナノ触媒粒子による気体反応メカニズムの原子・電子構造的解析
Project/Area Number |
19001005
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
竹田 精治 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (70163409)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 日出夫 大阪大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (00273574)
田中 孝治 独)産業技術総合研究所, ユビキタスエネルギー研究部門, 主任研究員 (40357439)
春田 正毅 首都大学東京, 大学院・都市環境科学研究科, 教授 (10357824)
|
Keywords | 白金触媒 / 金触媒 / 金属ナノ粒子 / 担体効果 / サイズ効果 / CO酸化 |
Research Abstract |
本研究で新規に開発した収差補正・環境制御型透過電子顕微鏡(収差補正ETEM、昨年度末稼動開始)を用いて、気体中での実触媒環境における金属ナノ粒子触媒を観察した。これまでの収差補正していないETEMでは不可能であった,ナノ粒子触媒表面や担体との界面の鮮明な原子スケール観察に成功している。 Au/CeO_2触媒の気体雰囲気下収差補正ETEM観察では、金ナノ粒子表面構造の変化を原子スケールで捉えた。こうしたETEM観察結果と気体分子の吸着や触媒反応の関係を探るために、様々なAu表面、Auロッド、Auクラスター、CeO_2表面上での酸素分子の解離吸着や酸素脱離のエネルギー障壁の第一原理計算を行った。また、COのAu表面への吸着の第一原理計算を行い、Au表面の方位や配位数と吸着エネルギーの関係を考察した。以上を踏まえて、Au/CeO_2界面周縁部でのC0酸化の反応パスを考察した。また、Pt/CeO_2触媒のETEM観察により、実触媒環境下における白金ナノ粒子の形状が、温度すなわち触媒活性に依存して変化することを明らかにした。新たな触媒の調製も進めており、昨年度の二酸化セリウム(CeO_2)に加え、酸化アルミニウム(Al_2O_3)と二酸化チタン(TiO_2)を担体として、含浸法、析出沈殿法、固相混合法の3つの方法を用いて、白金と金をナノ粒子にして分散・固定することに成功した。これら触媒のCO酸化反応のTOF(turnover frequency、表面露出金属原子1個あたりの反応速度)の温度依存性や、COとO_2の濃度依存性を調べることで、触媒挙動の類似点と相違点を明らかにした。これらの触媒試料と知見は、世界的にも他に類がなく、今後の収差補正ETEM観察にとって独創的な研究成果に繋がる土台となると期待される。
|
Research Products
(30 results)