2007 Fiscal Year Annual Research Report
水田エコテクノロジーによる西アフリカの緑の革命実現とアフリカ型里山集水域の創造
Project/Area Number |
19002001
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
若月 利之 Kinki University, 農学部, 教授 (50127156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 博司 近畿大学, 農学部, 准教授 (70152436)
増永 二之 島根大学, 生物資源科学部, 教授 (10325045)
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Keywords | sawah ecotechnology / 西アフリカ / サブサハラアフリカ / 水田生態工学 / エコテクノロジー / 緑の革命 / 水田仮説 / アフリカ型里山創造 |
Research Abstract |
本研究は、以下の3つの仮説を十分な規模のアクションリサーチとして実証し、国連のMDGs達成に繋がるアフリカの緑の革命を実現し、地球温暖化防止にも貢献することが目的である。即ち、(1)「サブサハラアフリカに緑の革命をもたらす中核技術は、品種改良を行うバイテクではなく、水田エコテクノロジー(生態工学技術)である(水田仮説I、Sawah concept I)」、(2)「水田システムは低地の適地を適切に開発して管理すれば、畑作地の10倍以上の持続可能な集約的生産性をもたらす(水田仮説II)」、(3)「集水域低地に開発した水田の集約的な持続性の高さを背景に、アップランドに森林を再生させることが可能で、地球温暖化防止にも貢献できる(アフリカ型里山創造)」。 サブサハラアフリカの低地面積約2.5億haの10%弱、約2000万haが水田開発適地と推定されるが、過去50年ではその数%が開発されたにすぎない。又、開発された水田システムも農民による持続可能な管理という点で問題を抱えている。本研究の目標は、1ha当たりの開発費用をこれまでの10分の1にし、かつ、農民による持続可能な管理を可能にする技術パッケージを土地制度と市場経済等の社会経済的側面も含めてアクションリサーチとして作り出し、その持続可能な技術移転の方法を確立することにある。水田適地の選定基準、水管理システムの技術指針、小型耕運機を使った農民の自力による水田開発法、持続可能な稲作技術の確立、適切なポストハーベスト技術の導入による市場競争力の付与、高収量と高収入を背景とした水田稲作の持続的発展のための土地制度の確立等が課題となる。 今年度は、ガーナでは土壌研究所、作物研究所、アフリカ開銀・内陸小低地稲開発プロジェクト、国連ミレニアムビレッジ、WARDA、2つの篤農グループと連携して12ヶ所、ナイジェリアでは穀物研究所、ニジェール及びオンド州政府、Bida Emir等と連携して8ヶ所をアクションサイトとして選び、両国とも百人以上の農民による各50ha、計100ha程度の新規水田稲作を雨季である2008年度5月から2009年1月にかけて実施できるよう準備した。
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Research Products
(26 results)