2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19002005
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
森田 浩介 The Institute of Physical and Chemical Research, 森田超重元素研究室, 准主任研究員 (20250110)
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Keywords | 実験核物理 / 新元素探索 / 超重元素の化学 / 加速器 |
Research Abstract |
1. 超重元素化学研究のための迅速α崩壊測定装置の開発 超重元素の化学研究を行うことを目的とした迅速α崩壊測定装置の開発を行った。超重元素は主としてアルファ崩壊および自発核分裂によって短寿命の間に壊変する。これらの放射性壊変にたいする検出感度は非常に高く、1原子からの崩壊を確実に観測することができる。目的元素を核反応によって合成し、化学操作を行った後にこれらの壊変を観測できればこそ超重元素の単一原子による化学研究が可能となる。本開発により、これまでにない迅速性で試料をサンプリングし計測できるシステムを構築した。 2. 104番元素Rf(ラザホージウム)106番元素Sg(シーボーギウム)の崩壊特性の研究 最初の超アクチノイド元素であるRfおよびSgの化学研究を、元素同定の不確定さを最小の状態にして行うことを目的に、^<261>Rfと^<265>Sgを合成しその崩壊特性を詳細に調べた。^<261>Rfについては、これまで報告されていたアルファ崩壊と自発核分裂の分岐比についてより精度の高いデーターが得られた。^<265>Sgについては実験・解析ともに現在進行中で、今後の詳細な化学研究に必要な崩壊データーが蓄積されている。 3. 核化学夏の学校の共催 放射化学会と共催で2009年8月、箱根強羅において「核化学夏の学校」を開催した。これからの超重元素化学研究を担う若手が全国から集まり、講義と研究発表を行った。 4. JWPメンバーを迎えてのミニワークショップの開催(理研仁科センターとの共催) IUPAC/IUPAPの元素命名に関する合同ワーキンググループ(JWP)のメンバー2名を迎え、理研における超重元素研究の現状と113番元素のプライオリティに関する突っ込んだ議論を行った。理研のこれまでのデーターに関する信頼性の高さが理解されたと考える。 5. 超重元素化学ワークショップの開催 2010年2月、理研において全国の核化学研究者を集め、今後日本で研究されるべき課題について議論を行った。
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Research Products
(28 results)