2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19002005
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
森田 浩介 独立行政法人理化学研究所, 森田超重元素研究室, 准主任研究員 (20250110)
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Keywords | 実験核物理 / 新元素探索 / 超重元素の化学 / 加速器 |
Research Abstract |
1.113番超重元素核^<278>113の合成実験 理研において2004年と2005年に1原子ずつ合成を確認した第113番超重元素核^<278>113の合成実験を行った。平成23年2月現在、該当するイベントは確認されていないが、照射量の増加に伴い現象が起こる確率を示す融合断面積の統計精度が向上している。3個目の原子の観測を目指して現在も実験は継続中である。 2.新気体充填型反跳分離装置GARIS-IIのコミッショニング 当科研費により建設した新気体充填型反跳分離装置GARIS-IIのコミッショニングを開始した。^<241>Am α線源からのαビームを用いて電磁光学系のチェックを行い、設計通りの立体角アクセプタンスを持つことを確認した。また加速器からのビームを用い、標的反跳による低速^<208>Pbビームを使った、気体充填型分離装置の基本性能である多荷電状態イオンの収集試験を行い、基本性能を満たしていることを確認した。ただしコミッショニングは未完であり来年度さらなる加速器実験が必要である。 3.超重元素化学研究のための迅速α崩壊測定装置の開発 昨年度基本部分を完成させた、超重元素の化学研究を行うことを目的とした迅速α崩壊測定装置について、実際の実験に供するための開発研究、主として測定系の構築と低バックグラウンド化へ向けた装置の改良を行った。 4.105番元素Db(ドブニウム)の崩壊特性の研究 超アクチノイド元素であるDbの化学研究を、元素同定の不確定さを最小の状態にして行うことを目的に、<262>^Dbを合成しその崩壊特性を詳細に調べた。 5.理研仁科センターにおいて平成23年3月15日、第2回「第2回超重元素共同研究ミーティング」を開催する。本会議は、今後期待される線形加速器の使用時間の増加に伴い、国内外の研究者と議論し、超重元素科学を効率的に展開するための共同研究を現実的に行うことを目的としたものである。
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Research Products
(35 results)