2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19002006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山内 薫 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (40182597)
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Keywords | 水素移動 / 強光子場 / 超高速化学 / 反応動力学 |
Research Abstract |
コインシデンス運動量画像法用いて強光子場におけるメタノール分子とブタジエン分子の水素マイグレーション過程を調べた。その結果、メタノール分子において、2段階の水素移動過程が存在することが観測された。また、ブタジエン分子においては、2個の水素移動を伴う解離過程があることが見出された。また、水素マイグレーション過程の実時間追跡のため、搬送波位相を制御した数サイクルパルス(2mJ, 6fs, 200mrad)を用いて、単一アト秒パルスを発生するのに十分なスペクトル帯域の高次高調波の発生に成功した。また、拡張された時間依存多配置波動関数理論を実行(緩和法)するプログラムの開発を行った。メタノールの電子-プロトン基底状態波動関数を計算し、プロトンに関する条件付き確率密度関数を解析し、メタノール分子のBO近似に基づく構造最適化計算と整合する分子構造に関する情報を抽出出来ることを明らかにした。また、1次元水素分子に対する非BO波動関数を求め、厳密解との比較から拡張された理論の有効性を明らかにした。さらに、Xeを試料として、近赤外超短レーザーパルスによる光電場内電子散乱実験を行い、1光子吸収および1光子放出した散乱電子信号の散乱角度依存性とレーザー偏光依存性の観測に初めて成功した。また、塩素分子に対する光電場内電子回折信号の数値シミュレーションを行い、光電場内電子回折法によってフェムト秒オーダーの分子の過渡的な幾何学的構造を0.1Å以上の精度で決定できることを示した。
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Research Products
(55 results)
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[Journal Article] Two-proton migration in 1,3-butadiene in intense laser fields2010
Author(s)
H.Xu, T.Okino, K.Nakai, K.Yamanouchi, S.Roither, X.Xie, D.Kartashov, L.Zhang, A.Baltuska, M.Kitzler
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Journal Title
Phys.Chem.Chem.Phys.
Volume: 12
Pages: 12939-12942
Peer Reviewed
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