2007 Fiscal Year Annual Research Report
大脳認知記憶ダイナミクスの研究:大域ネットワークと局所神経回路の機能の解明
Project/Area Number |
19002010
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮下 保司 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 教授 (40114673)
|
Keywords | 神経科学 / 磁気共鳴機能画像 / 記憶 / 大脳皮質 / 画像 |
Research Abstract |
4.7テスラボア径40cmのサル用磁気共鳴画像装置にパラレルイメージング法を導入するプロセスは順調に進捗した。Biospec47/40機(Bruker Biospin)の分光システムを8チャネル化するとともにプラットフォームOSをパラレルイメージング用のPara Vision5.0にバージョンアップすることは完了した。しかし、対応する8チャンネルRFコイルの製作およびそれらを用いたシステム調整は平成20年度に残されている。サル用8チャネルRFコイルは、Bruker Biospin社を含めて世界的にどこにも前例がなく、設計は完了しているが、実際の製作にはまだ時間がかかると思われる。サルを被験者として大脳全体の大域的活動を要求する認知課題としての近時記憶課題および注意シフト課題の解析も、順調に進捗している。サルのトレーニングは順調に完了し、行動学的には予期どおりの結果を得ている。ことに後者は、ニューロン群の活動がその4-5秒後におこる行動の成否を予測することができる可能性を有することが判明し精密測定を進めている。ヒトを被験者とした研究では、注意シフト課題、GO/NOGO課題およびSTROOP課題において大脳機能構築について新しい知見が得られた。これらのうちサルを被験者とした課題に拡張可能なものの探索を進めている。薬理学的にニューロン回路機能を解析する方法の開発については、feasibility studyを続行中である。GABA_AアゴニストであるmuscimolにGdを結合してMRI上のT1強調画像でその広がりを可視化する技術については、当初計画の化合物群は薬理活性を有しなかったが、別の残基(BODIPY残基)を含む化合物が薬理活性を有することを偶然発見し、ハイブリッド化合物の合成・薬理活性テストを進めている。
|