2009 Fiscal Year Annual Research Report
大脳認知記憶ダイナミクスの研究:大域ネットワークと局所神経回路の機能の解明
Project/Area Number |
19002010
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮下 保司 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 教授 (40114673)
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Keywords | 神経科学 / 磁気共鳴機能画像 / 記憶 / 大脳皮質 |
Research Abstract |
大脳の大域的活動を要求する認知課題として、注意シフト課題および記憶課題の解析は順調に進捗している。注意シフト課題では、頭頂葉7a野ニューロン群の活動がシフト時に次元に対して非対称的活動を起にすこと、更にこのニューロン活動がその4-5秒後におこる行動の成否を予測できることを発見した(Kamigaki et al., Neuron 2009)。更に、同じ領野にシフト活動の実行に関与するニューロン群を発見して頭頂葉7a野の機能モデルを提出した(Kamigaki et al., in press 2010)。ヒトを被験者とした研究では、注意シフト課題およびGO/NOGO課題において大脳機能構築についての知見が得られた(Chikazoe et al., J Neurosci.2009 ; Cerebral Cortex 2009 ; Hirose et al,, NeuroImage 2009 ; Jimura et al., Eur.J.Neurosci.2009 ; Kimura et al., NeuroImage 2010)。記憶課題においては、認知記憶固定化における側頭葉の役割について固定化仮説を支持する証拠を得る(Yamashita et al., J, Neurosci, 2009)とともに視覚認知の主観性にかかわる前頭葉と側頭葉のネットワークについての知見を得た(Asari et al., Cortex 2010)。認知記憶のミクロメカニズムについては、周嗅皮質の35野の単一ニューロン活動を世界で初めて記録してその記憶コーディングを同定した(Fujimichi et al., in press, 2010)。Lentivirus vectorによって大脳皮質内に遺伝子を発現させる方法の開発は順調に進展し、ラット小脳のトレーサーとしての応用を報告し(Ohashi et al., in press, 2010)、光遺伝学的応用の実験もほぼ完了した(Tsubota et al., in submission, 2010)。サル用P2実験室も完成し、サル大脳における発現実験を進める準備ができたと考えている。
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Research Products
(25 results)