2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19002015
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
大隅 良典 National Institute for Basic Biology, 分子細胞生物学研究部門, 教授 (30114416)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌田 芳彰 基礎生物学研究所, 分子細胞生物学研究部門, 助教 (20291891)
中戸川 仁 基礎生物学研究所, 分子細胞生物学研究部門, 助教 (90414010)
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Keywords | オートファジー / Atg / 膜動態 / オートファゴソーム / P13キナーゼ / ミトコンドリア分解 / 栄養飢餓 |
Research Abstract |
第2年次である今年度における計画は順調に進行し、得られた成果は以下の通りである。 1. オートファジーに必須な2つの結合反応系に関しては、Atg12-Atg5がAtg8のPE化のE2酵素、Atg3と相互作用して、活性を促進する機序の一端が明らかとなった。反応のチオエステル中間体を検出する方法を確立し、素過程の理解が深まると共に、脂質化反応の基質となる脂質の選択性に関する知見が得られた。精緻な細胞分画法により、Atg8-PEが存在する構造の解析の準備が整った。 2. オートファゴソーム形成に関わるPASに関する理解が進み、飢餓によって誘導されるAtg17-Atg29-Atg31の3者複合体を基部とし、Atg13-Atg1が結合した5者からなるPASの理解が深まり、その動的な性格が明らかとなった。 3. Atg17に結合することで、5者複合体の直下で働くAtg9の機能解析が進み、細胞質を激しく動き回るドットとPASとPAS周辺に局在するAtg9との関係が明らかにされつつある。 4. Atg13が直接Torキナーゼによってリン酸化される複数の部位を同定し、それらのアラニン置換体、非リン酸化型Atg13を発現させるだけで、栄養培地中でもオートファジーが誘導されることを明らかにした。 5. グリセロール培地で増殖する酵母では、増殖時にLap3がCvt系路によって液胞に運ばれ、分解されることからCvt系路が分解系として機能することが明らかとなった。飢餓条件下には、Lap3はオートファゴソームに選択的に取り込まれることも分った。 6. 非醗酵性のグリセロール培養の酵母は増殖が停止する時期にミトコンドリアのみを取り込んだオートファジックボディー様の構造が液胞に送り込まれ、分解される。この過程に必須の因子を網羅的にスクリーニングし、ミトコンドリア外膜に存在するMtv1タンパク質がリセプターとして必須の機能をしていることを解明した。 7. 北大稲垣研との共同研究により、Atg4BとLC3との複合体の構造が明らかになり、その機能を理解が進んだ。
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Research Products
(22 results)