2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19002015
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
大隅 良典 Tokyo Institute of Technology, 統合研究院, 特任教授 (30114416)
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Keywords | オートファジー / ATG / タンパク質分解 / ユビキチン様タンパク質 / 膜動態 / PI3キナーゼ / 栄養飢餓 / ミトコンドリア分解 |
Research Abstract |
今年度の研究成果は未発表の内容も含めて以下のように要約される。 オートファジーの膜動態の根幹をなすオートファゴソーム形成の場として同定したPASに関して以下のことが明らかとなった。1.飢餓によって誘導されるオートファゴソーム形成に関わるPASは外界の栄養に応答して極めて動的に形成、分散が制御されることが明らかとなった。2. PAS形成の最も基部をなす構造としてAtg17, Atg29, Atg3が互いに相互依存性に1:1:1で結合した3者複合体の2量体構造をとっていることが明らかになった。3. PAS形成の階層構造の詳細な理解が進み、Atg13の脱リン酸化に伴いAtg13-Atg1複合体が上記の3者複合体に結合することが明らかとなった。 細胞内Atgタンパク質の存在状態に関する可視化解析が進みAtg9を含む構造の解析が進み、隔離膜形成における役割の一部が明らかになった。 オートファジーに必須な2つの結合反応系を理解する上で、Atg8のリン酸化反応の場を決定することが重要な課題である。そのため厳密な細胞分画と密度勾配遠心法により、Atg8-PEを含むオートファゴソーム形成中間構造を得ることに成功した。 オートファジーの全容を明らかにする上で多様な様式の理解が必須であり、選択的オートファジーの分子機構の解析を進めた。新たにLap3がApe1と同様な選択的オートファジーの基質であることが明らかとなった。リボソーム、Ald6など細胞質に多量に存在する複合体の選択的取り込みがAtg11に依存しない新たな系路であることが明らかとなった。非醗酵性の炭素源で培養した酵母は、増殖停止期に入るとミトコンドリアをオートファジー依存的に液胞で分解すること明らかにし、その過程に必須な因子の網羅的な解析を行い、この過程に多数の因子が必要であることを明らかにした。その中で最も顕著なミトコンドリア分解に欠損を示す遺伝子としてAtg32を同定した。Atg32はミトコンドリア外膜を一回貫通する膜タンパク質であり、Atg11、Atg8と結合することで分解レセプターとしてミトコンドリアの包み込みに関与することが明らかとなった。
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Research Products
(30 results)