2008 Fiscal Year Annual Research Report
TA基地のオゾンと宇宙線生成核種の相関観測によるエアロゾル濃度変動のモニター開発
Project/Area Number |
19012001
|
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
櫻井 敬久 Yamagata University, 理学部, 教授 (60150265)
|
Keywords | 宇宙線 / 宇宙線生成核種 / Be-7 / オゾン / エアロゾル |
Research Abstract |
大気中宇宙線生成核種Be-7はエアロゾルに付着して降下しており、又地表オゾンは対流圏上部オゾンの降下も含んでいる。そのため、オゾン濃度とBe-7濃度の短時間変動の相関を調べることによりオゾンを短時間分解能のエアロゾルモニターとして利用することが期待できる。オゾン濃度は1分程度の高時間分解能で測定できるため、短時間分解能を有するエアロゾル濃度変動モニターの開発は宇宙線飛跡の蛍光総量に対する測定精度の向上に寄与することが期待できる。以下のような研究成果を得た。1) 紫外線吸収方式オゾン濃度計とパソコンを連結した大気中オゾン濃度の自動測定システムを開発作成し2008年8月に米国ユタ州デルタ市のブラックメサ(TAサイト)で観測を行った。2) 平均オゾン濃度は0.036ppmであり夜間は昼間部の約半分の濃度であった。オゾン濃度およびBe-7濃度の相対変動率は各々約14.1%と同じ値を示した。3) Be-7濃度の1時間値とオゾン濃度との相関係数は0.77から0.24と日と時間帯により異なっていた。4)オゾン濃度変化が雷に連動した現象を捉えた。このときBe-7濃度の上昇も得られ、大気下降流とエアロゾル下降との関係が推測される。 これらの試験観測からオゾンモニターをエアロゾルモニターとしての利用できることが期待できることが分かった。なお、米国ユタ州TAサイト近辺においてBe-7濃度日変動の連続測定を実施した。 夏にピークがある年変動を示しており、平均濃度は8.5mBq/m^3で変動率は最大で66%であった。
|