2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19014014
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
片山 郁文 Osaka University, 基礎工学研究科, 特任助教 (80432532)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芦田 昌明 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (60240818)
川山 巌 大阪大学, レーザーエネルギー学研究センター, 助教 (10332264)
|
Keywords | テラヘルツ時間領域分光法 / パルスレーザー蒸着法 / 誘電体薄膜 / 量子常誘電体 / 光誘起相転移 |
Research Abstract |
本研究では巨大な光応答を示す誘電体薄膜を探索し、その光応答の起源を明らかにするために、光ポンプ=テラヘルツプローブ実験系を作成し、テラヘルツ領域の過渡応答を探索することを試みた。まず、精度良い測定が可能となるように、通常はテラヘルツ測定用のレーザーの一部を分けて用いる光励起のためのポンプ光を、テラヘルツ測定のためのレーザーとは別に用意し、それらのレーザーを同期することで、光ポンプ=テラヘルツプローブ実験を行うことを試みた。その結果、2台のレーザーのタイミング揺らぎ(ジッター)が2ps程度となるような実験系を構築することができた。これは、異なる台の上に乗っているレーザーの同期精度としてはかなり良いものと言える。また、これらの実験系を用いて、まずはテスト試料として、GaAs半導体における光励起状態のテラヘルツ分光を試みたが、今回の精度では光誘起信号は見られなかった。これはポンプ光の強度が小さいためであると考えられる。そこで、次年度以降は、より強力なレーザー光を用いた系に組み替えて実験を行う予定である。また、試料作成の過程で、誘電体の薄膜は、高温アニールすることで、膜質が大幅に改善することを見出した。これは、本研究のみならず、今後誘電体薄膜を研究する際には非常に重要となる知見である。また、テラヘルツ分光系における光伝導アンテナの構造や基板に用いる物質を見直し、信号雑音比を改善させることに成功した。
|
Research Products
(13 results)