2007 Fiscal Year Annual Research Report
南天サブミリ波観測による原始惑星系円盤の物理・化学構造の解明
Project/Area Number |
19015002
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
百瀬 宗武 Ibaraki University, 理学部, 准教授 (10323205)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 良実 宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 准教授 (30183792)
江澤 元 国立天文台, 電波研究部, 主任研究員 (60321585)
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Keywords | 系外惑星 / 星形成 / 電波観測 / 原始惑星系円盤 / サブミリ波 |
Research Abstract |
本研究の目的は,ミリ波・サブミリ波における原始惑星系円盤起源のダスト連続波とガス放射を対象にしたASTE望遠鏡観測を行い,その結果を遠赤外線データと比較することで、円盤の物理・化学構造を解明することである。昨年度は,ASTEに搭載された連続波カメラAzTECを用いて,おおかみ座III領域に存在する分子雲の無バイアス・マッピング観測を行った。その結果,過去に近赤外領域で得られていた減光度マップと大変良い構造を検出した。さらに両者を定量的に比較した結果,星形成が起こっていないガス塊は分子雲全体の温度(約12K)より低温(約8K)であること,クランプファイド法を用いて点源を同定したところ,領域全体で約90個の点源が検出できていることが分かった。これらは原始星の母胎とな分子雲コァ,もしくは原始惑星系円盤が混在していると考えられる。その素性を明らかにするには,赤外線衛星AKARIのデータの比較が今後必要である。以上は,かってない空間分解能,かつ空間ダイナミックレンジで減光度マップとミリ波連続波の比較が有効であることを明らかにしたもので,現在,論文投稿に向けた準備を進めている,一方,ASTEを用いたガス観測については,カメレオン座分子雲に存在する2つの中質量前主系列星のガス観測を行い,円盤起源とみられる一酸化炭素輝線を検出した。またこれに関連して,ASTE望遠鏡とサブミリ波干渉計(SMA)データを元に円盤ガスの散逸を議論した投稿論文を準備した。
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