2007 Fiscal Year Annual Research Report
多層格子シミュレーションによる連星系原始惑星円盤と周連星円盤の理論的研究
Project/Area Number |
19015003
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
花輪 知幸 Chiba University, 先進科学研究教育センター, 教授 (50172953)
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Keywords | 宇宙物理 / 星形成 / 原始惑星系円盤 / アクリーション / 数値シミュレーション / 理論天文学 |
Research Abstract |
数値シミュレーションにより連星糸でのガス降着を行ったが、利用可能な計算機ではまだ能力不足で、主星や伴星の近くで重力を人為的に弱くせざるを得なかった。それによる影響は低いと信じているが、対抗する研究グループからはこの点について批判を受けている。平成20年度に国立天文台のスーパーコンピュータが高速になるので、これを利用して疑義のないシミュレーションを行う準備を進めた。 またすばる望遠鏡を使い若い連星を近赤外線で観測している研究者より、私たちのこれまでのシミュレーションとよく似た像が得られたという情報を受けたので、これについて検討した。確かに腕状の反射物質分布や、伴星から主星への流れと見なせる構造など、シミュレーションと似た構造が見られることが確認できた。より子細に検討する価値があるので、この連星と合うよう連星比を合わせたシミュレーションを開始した。 さらに関連する問題として、乱流により分子雲が圧縮され星が形成される可能性を相似解を用いて調べた。圧縮が強い場合には、圧縮されたガスの自己重力による崩壊とそれに続く星形成が予想される。そのような崩壊は、圧縮するガスの落下速度と質量固着率が臨界値を超したときに起こることが示された。また落下速度が速い場合、自己重力系の典型的な質量であるジーンズ質量より小さい星が形成されることが示唆された(Astrophysical Journalに投稿中)。
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