2007 Fiscal Year Annual Research Report
温度補償した高速応答可能な低電圧静電駆動型マイクロミラー
Project/Area Number |
19016003
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Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
佐々木 実 Toyota Technological Institute, 工学部, 教授 (70282100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 英生 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90361112)
羽根 一博 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50164893)
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Keywords | マイクロマシン / マイクロ・ナノデバイス / マイクロミラー / 静電駆動 / 温度補償 / 低電圧駆動 |
Research Abstract |
低電圧で大きな回転角が得られる静電駆動型マイクロミラーの性能向上として、温度特性の安定化と高速化が目的である。本研究で実現すべき性能は複数ある。最終的には全てを兼ね備えたデバイスを目指すが、目的性能に応じて製作する構造を切り分け、本質的議論が進めやすいようにした。4項目を研究実施計画に挙げたが、平成19年度は以下の2項目について結果を得た。 1.アモルファスSiから創製した多結晶Siを用いる点が工夫した点である。所有するLPCVD装置における大きな引張応力を得る成膜条件を求めた。石英ガラス基板によって評価した。He希釈10%SiH_4ガスを利用し、525℃,0.6Torrで得た膜を結晶化すると〜600MPaと高めの引張応力を得た。温度560,550,525℃を試した。より低温・高圧で結晶を含まないアモルファス状態にする程、応力を大きくできた。 2.太鼓の革のように張った薄膜で、平坦なミラーができるかを確認した。薄膜部分がφ380μm、結晶Siリング外径がφ500μmの構造を製作した。プレート構造に対して、慣性モーメントは62%に低減でき、共振周波数は27%向上する設計となる。アモルファスSiのアニーリングのタイミングが重要であることが分かった。製膜後の早い段階で結晶化した方が、プロセス中での物理・化学的耐性と歩留まりが改善する。たわみ量は最大-最小値で〜20nmを再現性良く得た。可視光に対しても<λ/10で、光学レベルで平坦である。反射率を上げるAl金属を蒸着しても、110℃の高温状態でも平坦さは維持された。温度特性の安定化は、薄膜が基板Siと熱膨張係数がほぼ同じになったからである。 以上、光学レベルで平坦なミラー面を軽量化できること、温度特性を安定化できることを確認した。
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Research Products
(13 results)