2007 Fiscal Year Annual Research Report
セグメント構造ダイヤモンド状炭素膜を摩擦駆動面に用いた高出力超音波モータ
Project/Area Number |
19016005
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
高崎 正也 Saitama University, 大学院・理工学研究科, 准教授 (10333486)
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Keywords | アクチュエータ / トライポロジー / 超音波 / 薄膜 |
Research Abstract |
セグメント構造ダイヤモンド状炭素(segment-structured DLC:S-DLC)膜をステータ振動子の摩擦駆動面に形成し,駆動性能(速度・推力)を損なうことなく寿命(摩耗痕の形成・運転不可となるまでの時間)を長くすることを検討している.弾性表面波リニアモータを対象として,摩擦駆動面にS-DLC膜を導入して駆動実験を行うために,評価用実験装置を製作した.速度の測定を可能とし,加速度より推力を算出するために駆動部の動的等価質量を求めた.また,摩耗特性を調べるために,マイコンによる制御で自動的に往復運転してその駆動回数をカウントする機能を実装した.S-DLC膜をスライダ表面に導入して従来の振動子を用いた場合,駆動に成功し,従来と同程度の推力特性を得ることができた.また,200ストローク駆動後の摩擦駆動面の様子を観察したところ,S-DLC膜には損傷がなく,耐摩耗性を発揮していることを確認した.この場合,ステータ振動子表面に摩耗痕が見られ,セグメント構造の「溝」部分に摩耗分の付着が見られた.セグメント構造が摩耗粉の排出に有用であることを示している.一方,ステータ振動子表面に導入した場合の推力特性を観測したところ,期待通りの推力を発揮しなかった.振動子の材質が圧電単結晶LiNbO_3であり,従来のDLC製膜パラメータでは最適なS-DLC膜が得られなかったためと推察される.今後,製膜プロセスを見直していく.
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Research Products
(8 results)