2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19016006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森田 剛 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (60344735)
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Keywords | 形状記憶圧電アクチュエータ / 強誘電体 / 電界インプリント / パルス駆動 / 誘電率メモリ / 屈折率メモリ / 透過率メモリ / 水熱合成法 |
Research Abstract |
本研究は、圧電アクチュエータの分極反転現象を利用し、圧電歪みにメモリ効果を付与する"形状記憶圧電アクチュエータ"を提案し、その基本メカニズムの解明と実用化への基盤となる研究を行うものである。この駆動方法では入力電圧をゼロとしても、分極方向に従って2つの安定した圧電歪みを保持し続けるため、パルス電圧駆動が可能になる。この結果、低駆動電圧化と低消費電力化が実現でき、特にモバイル機器やマイクロマシンへの応用が期待される。本年度は、バルクセラミックスを用いた形状記憶圧電アクチュエータにより、パルス駆動できるリレースイッチを製作した。37mmの圧電ユニモルフにより50ミクロン形状記憶を実現し、リレースイッチとしての動作確認を行った。また、アクチュエータの小型化を考え、水熱合成PZT薄膜を用いた形状記憶圧電アクチュエータを製作した。この薄膜では、成膜中に電界インプリントが生成されるために、高電界を印加しなくても形状記憶圧電アクチュエータとして駆動が可能であることを明らかにした。形状記憶量は8ミクロンであったが、パルス駆動による形状記憶動作では最大で1ミクロンとなり耐電界強度を今後向上させていく必要がある。さらに、本原理が形状記憶だけでなく、強誘電体の光学特性や誘電率特性のメモリ効果や、さらには超磁歪素子とのコンポジット化による磁束密度メモリ効果を創成することを実証した。いずれの場合でもパルス駆動が可能であり、電圧を印加しない状態でも各物性値をメモリ保持していることを確認している。
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