2007 Fiscal Year Annual Research Report
酵素触媒を利用した有機エンジン及び多彩な知的機能を発揮するバイオアクチュエータ
Project/Area Number |
19016007
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
三林 浩二 Tokyo Medical and Dental University, 生体材料工学研究所, 教授 (40307236)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 寛之 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (70329118)
斉藤 浩一 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (00205668)
|
Keywords | 有機エンジン / 過酸化水素 / カタラーゼ / 化学ポンプ / 小型モーター |
Research Abstract |
19年度において、タンパク質である酵素を利用し、化学物質を認識し能動的な物質輸送により、化学エネルギーを機械エネルギー変換しうる高効率な「有機エンジン」を構築した。 作製した有機エンジンは、カタラーゼ酵素を多孔質高分子膜に光架橋性樹脂にて固定化したもので、過酸化水素を選択的に認識し、その化学エネルギーを使って15kPa以上の圧力(機械エネルギー)を常温環境下で直接発生することが可能であった。本システムは有機材料だけで構築され、化学エネルギーを機械的エネルギーに直接変化することができるエネルギー変換システムである。またこの有機エンジンを利用して作製したケミカル・ポンプは、そのポンプ吐出量を過酸化水素の濃度により、能動的且つ連続的に制御することが可能であった。 次に、有機エンジンの加圧システムを利用し、微生物の鞭毛のように化学エネルギーにて回転駆動する「ケミカルモーター」を作製した。有機エンジンでは化学エネルギーより圧力として力学エネルギーへと変換できることから、この圧力を利用することで微小モーターを回転させることとした。微小モーターの作製では「レーザー加工機」を使い、回転子(ファンつきローター)と軸受け付き外筒を樹脂及び金属材料にて成形し、有機エンジンに組み込む。これにより過酸化水素を認識して回転駆動するケミカルモーターを構築した。つまり、微生物の鞭毛モーターのように、化学物質の能動的な膜輸送を人工物として具現化し、化学物質を認識し、回転駆動・制御ができる「化学モーター」を開発することに成功した。
|
Research Products
(5 results)