2007 Fiscal Year Annual Research Report
高分子のゲル化挙動を利用したイオンゲルアクチュエータ材料の創製
Project/Area Number |
19016014
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
小久保 尚 Yokohama National University, 大学院・工学研究院, 特別研究教員 (80397091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 正義 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 教授 (60158657)
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Keywords | イオン液体 / イオンゲル / イオン伝導体 / 相分離構造 / 炭素電極 |
Research Abstract |
イオン液体である1-エチル-3-メチルイミダゾリウムビストリフルオロメタンスルフォニウムアミド([C_2mim][NTf_2])に対して、ポリスチレン(PSt)は不溶、ポリメチルメタクリレート(PMMA)は可溶である。ABA型ブロック共重合体(PSt-PMMA-PSt)を合成し、[C_2mim][NTf_2]と混合することで「イオンゲル」を作製した。これはPSt部位が物理架橋点となり、PMMAがイオン液体と相溶するためゲルになる現象である。PSt部位やPMMA部位の分子量を制御することで、イオンゲルの粘弾性やイオン伝導性を変化させることができ、イオンゲルアクチュエータの電解質膜として用いることが出来る。平成19年度は主に基礎的性質を調べることに重点を置いた。 PMMAマクロモノマー、ABA型ブロック共重合体はATRP法によって合成した。得られた重合体とイオン液体を所定比で混合しホットプレスすることで、自己支持性のある柔らかいイオンゲル膜を得た。得られたゲルのDSC測定からPStとPMMAに由来するTgが観測されたことと、TEM測定により凝集したPSt部位が観察されたことから、イオンゲル膜はミクロ相分離構造を形成していることが明らかとなった。また、イオン液体を87wt%以上含むイオンゲルはイオン伝導度が、イオン液体と同等の値を示し、アクチュエータ用電解質膜として期待されるゲルであると考えられる。
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