2008 Fiscal Year Annual Research Report
高分子のゲル化挙動を利用したイオンゲルアクチュエータ材料の創製
Project/Area Number |
19016014
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
小久保 尚 Yokohama National University, 大学院・工学研究院, 特別研究教員 (80397091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 正義 国立大学法人横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 教授 (60158657)
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Keywords | イオン液体 / イオンゲル / イオン伝導体 / 相分離構造 / 炭素電極 |
Research Abstract |
イオン液体である1-エチル-3-メチルイミダゾリウムビストリフルオロメタンスルフォニウムアミド([C_2mim][NTf_2)に対して、ポリスチレン(PSt)は不溶、ポリメチルメタクリレート(PMMA)は可溶である。ABA型ブロック共重合体(PSt-PMMA-PSt)を合成し、[C_2mim][NTf_2]と混合することで「イオンゲル」を作製した。これはPSt部位が物理架橋点となり、PMMAがイオン液体と相溶するためゲルになる現象である。PStた位やPMMA部位の分子量を制御することで、イオンゲルの粘弾性やイオン伝導性を変化させることができ、イオンゲルアクチュエータの電解質膜として用いることが出来る。平成19年度は得られたゲルの基礎的性質の検討を行ったが、20年度はアクチュエータ材料への適用を中心に行った。 従来のアクチュエータは活性炭などの炭素材料とイオン液体、そしてバインダー高分子を混合して電極を作製していたが、ABA型ブロック共重合体はバインダー高分子となり得なかった。そのため、電解質部分はABA型共重合体、電極部分はPVDFを用いてアクチュエータを作製した。本研究で作製したゲルは、従来のゲルと同等のイオン伝導度を示したが、アクチュエータの変位量は大幅に向上した。2種類の異なる高分子を融着性が悪いのにも関わらず、このような大きな変化を達成できたことは特筆すべき成果であると考えられる。またABA共重合体の分子量や組成を変化させることで、ゲルの性質を制御できることが明らかとなった。
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