2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19016019
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
香川 明男 Nagasaki University, 工学部, 教授 (00093401)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大貝 猛 長崎大学, 工学部, 准教授 (60253481)
水本 将之 長崎大学, 工学部, 助教 (90325671)
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Keywords | アクチュエータ / 水素吸蔵合金 / バナジウム / パラジウム |
Research Abstract |
バナジウム-チタン系合金およびパラジウムーニッケル系合金に関するこれまでの研究データおよび既存の装置により常温での水素化特性を調べた結果から,バナジウム-チタン系合金ではV-5at%Ti合金が,パラジウムーニッケル系合金ではPd-11at%Ni合金が,アクチュエータ用水素吸蔵合金として適していることが示唆された.そこで,V-5at%Ti合金およびPd-11at%Ni合金を用いて曲げ挙動を示すように設計したアクチュエータ(長さ50mm,幅3mm)を作製して,その動作特性を調べた.その結果,バナジウム-チタン合金アクチュエータは,水素導入後約100secでアクチュエータの先端を水平方向に約20mm変位させることができた.しかし,その後10^<-5>Torrまで排気して水素を脱蔵させ,変位の回復を試みたが,変位を回復させることはできなかった.これは,用いたV-5at%Ti合金の水素脱蔵時の平衡水素圧が低かったためと考えられる.それに対してパラジウム-ニッケル合金アクチュエータは,応答速度はバナジウム-ニッケル合金アクチュエータの約1/5であったが,同等の変位量を示した.さらに,10^<-5>Torrまで排気することにより変位を回復させることができた.そこで,パラジウム-ニッケル合金アクチュエータのサイクル変形試験を行った結果,サイクル変形を実現することはできたが,サイクル数の増加と共に応答速度が低くなる現象が観察された.これは,水素吸蔵合金におけるUp-Hill拡散のためと考えられ,この現象を回避するために,アクチュエータの構造を見直す必要があることがわかった.また,ポリマーエンベロップにより水素吸蔵合金を被覆したアクチュエータを試作したが,アクチュエータの駆動力不足のため動作させることができなかった.今後はポリマーの素材の変更も視野に入れて,構造等のの最適化を行う必要がある.
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Research Products
(4 results)