2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19016020
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
田中 豊 Hosei University, 工学部, 教授 (70179795)
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Keywords | マイクロマシン / 機能性流体 / アクチュエータ / マイクロ放電加工 / 電極 / マイクロルカトロデバイス / マイクロポンプ |
Research Abstract |
機能性流体の一つである電界共役流体(ECF)は,最近,その特徴的な現象が見出された新しい流体で,電極間に数キロボルトの高電圧を印加すると,正電極から負電極に向かってジェット流が生じる.この流体が持つ極めて特徴的な性質は,稼動部を持たない簡易な構造でポンプを構成することが可能で,流体パワーを用いた高出力なメカトロニクスのシステムの構成要素のマイクロ化に適した駆動原理として注目されている.しかし,その応用範囲は未知数であり,より一層の広範囲な分野への取り組みが求められている.本研究課題では,この機能性流体・ECFの性質を駆動原理に用いたマイクロメカトロデバイスを実現するため,ポンプやバルブ,アクチュエータのマイクロモジュール構造を工夫し,各モジュールを階層化・一体化することにより,高出力なマイクロメカトロデバイスの開発を行う.平成19年度は,高出力なマイクロメカトロデバイスの構成要素の一つである,マイクロポンプの高出力化には欠かせない,電極形状とその配置を実験的に検討した.その結果,正電極と対向させた負電極の形状と配置を,同心円状に複数の電極配置で構成した場合が,最もポンプの吐出圧力が大きくなることを確認した.この結果を踏まえ,従来の研究成果に比べ,数倍,出力の大きな指先大のマイクロポンプの試作に成功した.また流動抵抗を小さくできる可能性のある管路壁面条件についても実験的に検討した.平成20年度は,これらの成果を踏まえ,マイクロメカトロデバイスに適したアクチュエータや流路構造を検討し,一体構造の高出力マイクロメカトロデバイスに仕上げる計画である.
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