2008 Fiscal Year Annual Research Report
XAFSによるガス吸着電極材料表面ナノ深さ領域のイオニクス現象解明
Project/Area Number |
19017003
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
篠田 弘造 Tohoku University, 多元物質科学研究所, 准教授 (10311549)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 茂 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (40143028)
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Keywords | 燃料電池 / 表面・界面構造 / イオニクス / 深さ分解分析 / X線吸収分光 |
Research Abstract |
固体酸化物型燃料電池(SOFC)において電極や固体電解質の特性を左右する、表面・界面のナノ領域における構造および電子状態を調べるため、表面敏感蛍光収量X線吸収分光(FY-XAS)、およびX線光電子分光(XPS)を適用し、実働環境に近いin-situ環境下での測定およびその解析を通じて「表面・界面領域の局所構造・電子状態とイオン伝導特性等物性との関連」を明らかにし、電極・電解質材料開発に資する有用情報を得ることを目的として、本年度の研究を遂行した。(La, Sr)MnO_3系酸化物薄膜を主な対象試料とした。角度分解XPS分析を行った結果、高温環境への暴露後にSrの薄膜表面への濃縮を確認した。一方、斜出射検出蛍光X線強度の出射角依存性から試料表面領域の深さ分解蛍光X線分析が、さらにその入射X線エネルギーに対するスペクトルから深さ分解局所構造・化学状態分析が可能であることを確認し、高温環境下、低酸素分圧環境下、電気的ポテンシャル印加環境下in-situ測定から、各条件において薄膜中Mnの化学状態が全体的に異なっているだけでなく、その表面近傍数十nmの領域で変化していることを見出した。またこの変化は単なるMn酸化数の変化ではなく、異なる作製法で得られた薄膜間でその変化の度合いが大きく異なっていることがわかった。
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