2007 Fiscal Year Annual Research Report
電解賢-電極ヘテロエピタキシャル系による新規SOFC素子構造の構築
Project/Area Number |
19017007
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山田 淳夫 Tokyo Institute of Technology, 大学院・総合理工学研究科, 准教授 (30359690)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅野 了次 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (90135426)
森 大輔 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 研究員 (00432021)
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Keywords | 固体酸化物型燃料電池 / 酸素還元反応 / エピタキシャル膜 / ペロプスカイト |
Research Abstract |
SOFCの低温作動化に向けて空気極特性の改善が望まれる。空気極特性の改善には空気極反応機構の解明、それに基づく空気極最適構造の構築が必要である。従来用いられてきた多孔質多結晶電極は、三相界面と二相界面を介す反応経路の混在、粒体物性の多様性により複雑な反応系を有する。本研究では。反応機構の解明、最適構造の構築に向けてエピタキシャル薄膜電極による、単純化された反応系の構築を試みている。 Nd_2Ni0_<4+δ>/YSZの系を選択し、真空中気相法により単一配向した酸素還元能を有する単結晶薄膜の成長に成功した。しかし、配向構造が空気中高温で不安定であるという問題が露呈し、空気中での固相成長(ポストアニール法)により、より安定なエピタキシャルシステムの構築を試みた。 常温で製膜し1000℃でポストアニールを行ったところ、気相法で製膜したものよりもミスフイットがはるかに小さく、結晶化度も高い単結晶薄膜が得られた。配向関係は(110)NNO//(100)YSZ、(100)NNO//(110)YSZとなり、真空中気相法の場合と同様であった。気相法で直接成長した場合、空気中での急激な熱サイクル(20℃→700℃、15min急熱、2h保持、15min急冷)により、NNOに由来するピークは消失するのに対し、固相法により結晶化した場合は熱サイクル後も配向構造と結晶性が維持されていることが分かった。このように熱ショックに対する耐性が大幅に改善された。真空中気相法では困難であった膜厚制御も精度良く行えるようになり、酸素還元特性も向上した。これらの特徴は配向関係に依存せず共通に見られた。 現在、本系に対するインピーダンス解析による酸素還元素過程の抽出と律速過程についての検討と、京都大学、東北大学との共同研究による深さ方向XAFSを行っている。
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