2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19017010
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
菊地 隆司 Kyoto University, 工学研究科, 准教授 (40325486)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 敏明 京都大学, 工学研究科, 助教 (90378802)
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Keywords | 固体酸化物形燃料電池 / 通電効果 / 電極 / 電解質界面 / 交流インピーダンス測定 / 電流電圧特性 / YSZ / ScSZ / LSM |
Research Abstract |
固体酸化物形燃料電池(SOFC)は作動温度が高く、総合エネルギー変換効率の優れた魅力的な発電システムである。一方で、構成材料が限られており、特に、高温発電下においては構成材料の凝集、材料同士の反応が起こりやすく、反応場である電極/電解質界面の制御は重要な課題である。高温下での各構成材料間の反応は熱力学的にある程度予測可能であるが、通電効果として知られている分極時の界面状態変化については、発電性能および長期安定性に大きな影響をおよぼすことが知られているものの、その現象の本質はまだ明確になっていない。本研究ではこの点に着目し、SOFCの高温電極反応場における界面形成と発電性能に及ぼす影響について研究した。これまでに、通電による発電性能の向上は空気極/電解質界面および空気極に起因することを報告した。本年度は、電極厚みや電極の多孔度、酸素分圧や分極状態が通電効果および発電特性におよぼす影響について検討した。LSM電極を一定条件で通電させると電位または電流密度の振動現象が観察された。この振動は一定時間後に消滅し、緩やかな性能向上へと移行した。LSMの気孔率が大きい場合は、振幅が小さく短時間で消滅した。また、膜厚を厚くし50μmとした場合には、より長い時間大きな振動が継続し、電流密度が上昇している間も小さな振動を示した。一方、酸素分圧の影響としては、酸化雰囲気側に置くことで振動は消滅した。これらのことから、振動現象はLSM/YSZ界面におけるLSM中のMnの酸化還元に起因することが示唆された。通電時のLSM電極の断面をSEM観察したところ、通電により電極微構造の変化が観察された。したがって、振動現象と同時に、不可逆な電極微構造の変化も進行することが確認された。
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Research Products
(2 results)