2007 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ細孔制御金属支持体上への新規酸素イオン伝導体のナノ薄膜化と高性能SOFC
Project/Area Number |
19017015
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岡田 祥夫 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 研究員 (10432866)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 達己 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (80184555)
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Keywords | イオン伝導 / ナノイオニクス / ランタンゲルマネート / SOFC / 薄膜 / Pr2NiO4 / 欠陥平衡 / 残留応カ |
Research Abstract |
イオン伝導におけるナノサイズ効果は、興味ある現象として注目されている。本研究では(1)薄膜化することで導電率の向上が期待されるランタンゲルマネート系酸化物について、金属アノード基板上へのナノレベルの製膜による高出力SOFCの開発、(2)Pr2Ni04系混合導電体のナノ薄膜化に伴う導電特性の変化の検討を行った。 NiO-SDC20サーメット基板上にパルスレーザーアブレーション法を用いてLa1.61GeO5-δ薄膜の製膜を行った。得られた薄膜上にSmSr0.5Co0.503をカソード側に塗布し、還元処理によりアノードを多孔質化してセルの構築を行った。Pr2NiO4系薄膜の作製にはパルスレーザーアブレーション法を用い、薄膜の伝導度測定にはVan der Pauw法を用いた。 La2GeO5系薄膜を用いたSOFCの試験では、700℃において約1.1 W/cm^2程度の出力を得ることができた。一方、作製した薄膜は約5μm程度の膜厚を有していることから、期待したようなイオン伝導のサイズ効果が発現していない領域であると思われる。Pr2Ni04系薄膜の作製においては、緻密でクラックのない単相の薄膜が形成できた。約500℃を境界に高温域では金属的伝導を示し、低温域では半導体的伝導であった。バルクと比較して薄膜化に伴い伝導度が約半桁ほど向上し、特に400℃以下の低温域では温度依存性が小さくなる結果となった。これらの現象は、薄膜化により表面緩和減少に伴う残留応力の低下や新たな欠陥導入、さらには移動度の向上などいったことが要因ではないかと示唆され、現段階では薄膜化に伴う伝導度の向上が観測されたもとと考えている。
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