2007 Fiscal Year Annual Research Report
全固体型二次電池の活物質/固体電解質バイコンティニュアス構造の創製
Project/Area Number |
19017016
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
山田 博俊 Nagasaki University, 工学部, 准教授 (10359961)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森口 勇 長崎大学, 工学部, 教授 (40210158)
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Keywords | 固体電解質 / 全固体型電池 / 電極界面 / 空間電荷層 / 結晶歪み |
Research Abstract |
全固体型二次電池の電極活物質/固体電解質界面を制御・構築ならびに界面近傍における結晶構造の変化及びイオン伝導機構を解明することを目的とし、主にリチウムイオン、銀イオン伝導体を対象とする研究を行った。本年度は以下に示す項目を遂行した。 (1)固体電解質ナノ多孔体作製 リチウムイオン伝導体であるLi2O-SiO2系化合物の多孔体合成を試みた。多孔体作製法として両連続相マイクロエマルションを反応場とする手法を用いた。反応場の液性を帰ることにより試料の細孔構造、組成、結晶性が異なる試料が得られた。中性条件では平均細孔径3.9nm、BET比表面積458m2g-1のメゾ多孔体が得られたが、塩基性条件では50〜100nm程度の微粒子が凝集している様子が観察された。Liを含有する系においては、焼成時に焼結が進行したためと考えられ、焼成温度の低温化あるいは溶媒による界面活性剤の抽出などの条件検討が必要である。 (2)活物質/電解質ナノ複合体の作製 リチウムイオン二次電池の正極活物質であるLiFePO_4とリチウムイオン伝導体であるLiIのナノ複合体を作製し、イオン伝導挙動を調べた。LiFePO_4を混合することにより、導電率は上昇した。LiFePO4微粒子を40vol.%混合した試料では、純LiIと比較して導電率が約二桁上昇し、活性化エネルギーは0.45eVから、0.25eVに減少した。活性化エネルギーの低下が見られており、導電機構が変化したことが示唆された。 (3)絶縁体/電解質ナノ複合体の構造解析 アルミナメゾ多孔体中にヨウ化銀を充填して得られる銀イオン導電性複合体は、空間電荷層効果から予想される以上に高いイオン導電率を示し、また活性化エネルギーも変化するなど、空間電荷層効果以外の機構が示唆されている。固体NMR及びXAFSの各測定により界面近傍における局所構造を詳細に調べた結果、細孔中のAgIは高温安定相の□-AgIであると考えられる。
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