2007 Fiscal Year Annual Research Report
アルミニウム系酸窒化物における希土類発光中心の構造制御
Project/Area Number |
19018001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉川 信一 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 教授 (10127219)
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Keywords | 構造・機能材料 / 光物性 / 無機工業化学 / 蛍光体 / サイアロン |
Research Abstract |
アルミニウムなどの軽元素からなる化合物は、バンドギャップが大きく蛍光体のホストとして有用である。特に酸窒化物では発光中心に対する酸化物および窒化物イオンの配位様式によって、発光特性が変化することが期待される。シリコンも含むアルミニウム酸窒化物であるサイアロンSiAlONには、様々な化学組成の化合物が知られている。このうちαおよびβサイアロンは黄色および緑色発光するLED用蛍光体として注目されている。しかしα相の結晶構造には希土類イオンを収容する結晶学的サイトがあるが、β相では化学組成Si_3Al_3O_3N_5が示すように希土類サイトはなく発光機構は明らかでない。また複数種類のAIN擬似多形(ポリタイポイド)はAIN組成の多いサイアロンであり、新たな蛍光体になる可能性がある。これまでにゲル化窒化法によってガリウムおよびアルミニウム酸窒化物を合成するとともに、希土類元素をドープした蛍光体を探索してきた。 本年度はゲル化窒化法で酸窒化アルミニウム系蛍光体を得た昨年度の研究成果を活用して、βサイアロン(Si_<6-z>Al_zO_zN_<8-z>)および15Rポリタイポイド(SiAl_4O_2N_4)の合成法を調べるとともに、ユーロピウムドープ蛍光体を得る可能性を検討した。その結果、原料組成を調整したゲル化窒化生成物を1750〜1800℃でホットプレス処理することによって、βサイアロンSi_3Al_3O_3N_5およびAIN擬似多形15R相SiAl_4O_2N_4を合成できた。後者にユーロピウムをドープして新たな蛍光体となる可能性を見出した。
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