2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19018017
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
長谷川 靖哉 Nara Institute of Science and Technology, 物質創成科学研究科, 准教授 (80324797)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河合 壯 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授 (40221197)
中嶋 琢也 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助教 (70379543)
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Keywords | ナノ材料 / 光物性 / 希土類 / 光磁気 / ユーロピウム / カルコゲナイド / f軌道 / ナノ粒子 |
Research Abstract |
二価のユーロピウムEu(II)から構成されるカルコゲナイド(EuX;X=O,S,Se,Te)は強磁性を示す化合物半導体でる。これまでEuXナノ結晶の合成および特異的な光磁気特性が報告されているが、そのナノ結晶の会合状態や配列を制御した例はない1)。大きな磁気光学効果を示すEuXナノ結晶を任意に会合および配列できれば、会合状態に基づく新たな光磁気特性が期待できる。 本研究ではEuSのナノサイズ化及びEuSナノ会合体の形状制御を行い、光の放射圧によってナノ粒子を補足して操作するレーザートラッピング法を用いてEuSナノ会合体の形態制御を行った。 EuSナノ結晶の原料となるEu(III)錯体は、塩化ユウロピウムと硫黄を含む有機配位子との錯形成により合成した。この錯体を6時間加熱還元し、反応終了後にクロロホルム・ヘキサン混合溶液を用いて精製することにより紫色粉末を得た。得られた紫色粉末のXRD測定の結果より、バルクのEuSのピークと一致することが明らかとなり、Scherer式から算出される平均サイズは11nmとなった。さらに、この立方体型EuSナノ結晶はメタノール中において平均サイズ330nm程度の会合体を形成していることがDLS測定から明らかになった。 次にレーザートラッピング法を用いて、ガラス基板上におけるEuS会合体の二次元配列を試みた。レーザートラッピング実験における散乱光強度の経時変化から、段階的な散乱光強度の増大が見られ、会合体が6個捕捉された様子が観測された。さらにこのレーザートラッピング手法を用いてEuS会合体のマニュピレーションを試み、マイクロスケールで任意に配列することに成功した。
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