2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19020011
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
藤澤 清史 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 准教授 (10251670)
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Keywords | マンガン / 重合触媒 / 遷移金属錯体 / 反応解析 / チタン / 電子構造 / エチレン重合 / 配位子 |
Research Abstract |
効率的な炭素一炭素結合の生成を伴う高分子材料を高収率で得ることは、省資源・省エネルギーの観点からも非常に重要な研究課題である。我々は、金属として周期律表の中央に位置し特許や論文などでほとんど報告されていない、Mn(II)イオンに注目した。かさ高いt-ブチル基を導入した配位子を用いてマンガン(II)クロロ錯体を合成し、触媒活性を検討した。さらに、対応する無電荷の配位子を用いたマンガン(II)クロロ錯体では分子量分布が広くなったが高分子量化が見られた。本研究では、この重合触媒反応の更なる重合性能向上を目的としている。 1、ジクロロメタンと各種ピラゾールとの反応によりビス(ピラゾリル)メタン配位子が得られた。この配位子を用いて単核3配位銅(I)トリフェニルホスフィン錯体を合成した。この錯体の性質を対応する3座無電荷,3座アニオン性配位子を用いた錯体と比較し、この錯体のCu-P結合が非常に強いことが明らかとなった。一方、π受容性の一酸化炭素では 逆の傾向があった。さらに、この2座配位子のピラゾール環の置換基を大きくすると、銅(II)錯体の構造が歪んでいき、t-ブチル基を導入した配位子では、銅(II)クロロ錯体が不安定で単離できなかった。マンガン(II)錯体の合成と構造解析を現在進めている。 2、フェニル基を導入した配位子を用いて新規マンガン(II)錯体の合成・構造決定を行った。溶液状態では弱く配位したアセトニトリルが外れることを考えると、この錯体の方がマンガン(II)イオンまわりの混み合いが少ないことが予想された。そこで、エチレン重合活性を検討した。重量平均分子量は一番高くなったが、その反面分子量分布が悪くなり、重合時の構造制御がフェニル基では不十分であった。 3、鉄(II)錯体と分子状酸素との反応により、配位子内のフェニル環が水酸化した錯体の構造を明らかにした。 以上のように、本研究に関する多くの成果を得ることができた。
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Research Products
(12 results)