2007 Fiscal Year Annual Research Report
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19020012
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
関口 章 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (90143164)
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Keywords | ケイ素-ケイ素二重結合 / ケイ素多重結合 / ケイ素-炭素結合形成反応 / 環化付加 / シクロブタジェン / シクロトリシレン |
Research Abstract |
本研究では、高周期不飽和三員環化合物と末端または内部アセチレンとの反応による環状化合物の生成機構の解明を行い、ケイ素多重結合化合物を活用した新規炭素π電子系の構築法を検討した。本年度に得られた研究成果は、含高周期元素π電子系の新規構築法としてのみならず、骨格元素や高周期元素二重結合周りの環境を変化させることでアセチレンとの反応を制御できることを明らかにした。 不飽和三員環ケイ素化合物シクロトリシレンのケイ素骨格上に4個の^tBu_2MeSi基を有する新規有機ケイ素化合物を合成した。この不飽和三員環ケイ素化合物は末端アセチレンと室温下、無触媒下で容易に[2+2]環化付加反応を起こし、アセチレンが二分子付加したビシクロ体を定量的に生成する事を明らかにした。本反応は、金属触媒を利用した炭素多重結合間の環化付加反応と本質的に異なり、新規なケイ素-炭素結合の構築を示したものである。 2. 骨格の飽和原子上に一つだけ^tBu_2MeSiCH_2基を導入したシクロトリシレン及びシクロトリゲルメンを新規に合成した。これらの不飽和三員環ケイ素化合物や不飽和三員環ゲルマニウム化合物は内部アセチレンである3-ヘキシンまたは4-オクチンと無触媒下で反応し、^tBu_2MeSiCH_2基の転位を伴ったトリシラシクロペンタジエン及びトリゲルマシクロペンタジエンが生成することを見出した。これらの化合物はシクロペンタジエンの骨格炭素原子3個を高周期元素に置き換えた新しいタイプのπ電子系高周期シクロペンタジエンである。
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Research Products
(20 results)