2007 Fiscal Year Annual Research Report
光学活性(ビスアシルアミノ)ビナフタレンを配位子とする新規不斉合成反応の開発
Project/Area Number |
19020014
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
西田 篤司 Chiba University, 大学院・薬学研究院, 教授 (80130029)
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Keywords | ビナフタレン / 配位子 / Danishefskyジエン / シクロヘキせん / シクロヘキセノン / イットリビウム / タミフル / プラチフィラド |
Research Abstract |
1-メトキシ-3-トリメチルシリルオキシ-1,3-ブタジエン、いわゆるDanishefskyジエンは電子豊富で反応性が高いジエンとしてDiels-Alder反応に広く用いられ、置換シクロヘキセンおよび置換シクロヘキサノンの合成に威力を発揮してきた.近年,不斉触媒開発の発展に伴い不斉Diels-Alder反応の開発も広く検討されており,成功を収めている反応系も多く報告されている.しかしDanishefskyジエンを用いるDiels-Alder反応の不斉化はジエンの不安定性のために困難を極め,唯一、非常に活性なカルボニル化合物とのヘテロDiels-Alder反応に限られていた.我々は独自に開発した2,2'-(ビスアシルアミノ)ビナフタレンとYb(OTf)_3,3級アミンから調整される光学活性錯体が電子不足アルケンとDanishefskyジエンとの炭素環形成型不斉Diels-Alder反応を触媒することを見いだした.今年度は以下のような知見が得られた. 1. 触媒調製に用いるYb(OTf)_3は無水試薬を購入して用いているが、市販品では反応の再現性が乏しかった.原因を究明すべく検討したところYb(OTf)_3は吸湿性に富み、無水試薬といえども結晶水が配位していることが熱重量測定法(TG)により明らかとなった.そこで,市販無水Yb(OTf)_3をさらに減圧下加熱乾燥により活性化させ再現性よく光学活性錯体が調製できるようになった. 2. α,β-不飽和イミドを調製した光学活性錯体存在下Danishefskyジエンと混合性,室温にて数時間撹拌することにより化学収率>90%,光学収率80-100%にてシクロヘキセン誘導体を得ることができた. 3. 得られた光学活性環化体をもちいてタミフル合成中間体や天然物プラチフィライドの合成を検討した.
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Research Products
(3 results)