2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19020017
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岩澤 伸治 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 教授 (30537973)
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Keywords | タングステンカルポニル錯体 / [4+3]付加環化 / ゼシクロ[5.3.0]デカン誘導体 / ビニリデン錯体 / 2-アザビシクロ[3.3.0]オクタン誘導体 / ジェミナルカルボ官能基化反応 / 3-アザビシクロ[3.3.0]オクタン誘導体 |
Research Abstract |
本研究では、我々の見いだした6族金属カルボニル錯体を利用するアルキン類の求電子的活性化法を基盤として、従来困難とされてきた触媒的なアルキンのジェミナルカルボ官能基化反応を多面的に展開し、有用物質の炭素骨格を簡便に構築する手法を開発することを目的として各種の検討を行った。すでに前年度の研究でタングステンカルボニル錯体を触媒とする、ジェノールシリルエーテル部位を有するエンイン化合物の[4+3]付加環化型ビシクロ環骨格形成反応の開発に成功したが、さらに本反応の一般化を図りその適用範囲の拡大に成功し、さまざまな官能基化された環化体を得ることに成功した。本反応は立体特異的に進行し高収率で合成化学的に有用性の高いビシクロ[5.3.0]デカン誘導体を立体選択的に与える優れた反応である。また、ジェノールシリルエーテル部位と末端アルキン部位を連結する部位に窒素原子を有する基質を用い、タングステンカルボニル錯体を触媒とする環化反応を行うと、π錯体を経てジェミナルカルボ官能基化の進行した2-アザビシクロ[3.3.0]オクタン誘導体が選択的に得られるのに対し、アミン存在下で同様の反応を行うと、ビニリデン錯体を経由して得られたと考えられる、3-アザビシクロ[3. 3. 0]オクタン誘導体が選択的に得られることを見出した。このように添加剤の有無により、π錯体およびビニリデン錯体経由の触媒反応を効率よく制御した例はこれまでほとんどなく、非常に興味深い研究成果である
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Research Products
(9 results)