2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19020024
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
柴田 哲男 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 准教授 (40293302)
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Keywords | フッ素 / トリフルオロメチル / フルオロメチル / 試薬 / 不斉 |
Research Abstract |
研究計画に則し,反応性に富んだ求電子的トリフルオロメチル化試薬として,構造的に新規なスルフィルイミン型試薬N,N-ジメチルアミノ-S-フェニル-S-トリフルオロメチルオキソスルホニウム・テトラフルオロホウ酸塩を設計し,合成することとした。設計のポイントは,強力な脱離基であるスルフィンアミド部位を持つことと硫黄原子周りのフェニル基やアミノ基上に種々の置換基を導入することで,試薬の活性化や安定化が行えると考えた点にある。合成は次のように行った。まず,ベンゼンとトリフルオロ無水スルフィン酸からフリーデル・クラフツ反応を利用し合成したトリフルオロメチルスルホキシドを発煙硫酸中ナトリウムアジトによってトリフルオロメチルスルホキシイミンとし,次に炭酸カリウム存在下,ヨウ化メチルによりトリフルオロメチルスルホキシイミンのモノメチル体を得た。さらにメチルトリフラートを用いて2段階目のメチル化を行うことによって目的の構造を持つN,N-ジメチルアミノ-S-フェニル-S-トリフルオロメチルオキソスルホニウムのトリフラート塩を得た。トリフラート塩は室温下油状であったので,テトラフルオロホウ酸塩にすることにより結晶性の化合物N,N-ジメチルアミノ-S-フェニル-S-トリフルオロメチルオキソスルホニウム・テトラフルオロホウ酸塩を得た。これは熱的に安定で取り扱い易い固体であることが判明,その構造はX線結晶構造解析により確認することが出来た。続いて,本誌薬を用いてチオール類のトリフルオロメチル化を検討した。その結果,DMF溶媒中,KOH存在下にて首尾良く,チオールのトリフルオロメチル化体が得られることが判明した。さらに炭素鎖へのトリフルオロメチル化反応では,DBU存在下,塩化メチレン中で,高収率で目的のトリフルオロメチル化体が得られた。
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Research Products
(3 results)