2007 Fiscal Year Annual Research Report
イミン誘導体の新活性化法の開発とその高度分子変換への展開
Project/Area Number |
19020026
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
清水 真 Mie University, 大学院・工学研究科, 教授 (30162712)
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Keywords | α,β-不飽和イミン / ヘテロ環 / イミニウム塩 / α-イミノエステル / 極性転換 / 多置換ピロール類 / N-アリリデンアミン / アミノケテンシリルアセタール |
Research Abstract |
本研究では1)α,β-不飽和イミンヘの求核付加における選択性の制御と付加中間体を活用するヘテロ環の合成手法の開発、2)簡便なイミニウム塩の合成手法と官能基選択的付加反応、さらに、3)α-イミノエステルの極性転換-イミニウム塩形成を含む反応の開発を行った。 すなわち 1)一般にα,β-不飽和アルデヒドへの求核付加反応における位置選択性の制御は容易くなく、1,2-付加体が生成する場合が殆どである。しかしながら対応する不飽和イミンではイミノ窒素の置換基と求核剤を適切に選択することにより、付加における位置および立体制御が可能であることを見出した。この付加反応を活用し、生物活性多置換ピロール類の位置選択的合成が可能になった。また、N-アリリデンアミンの窒素原子上の置換基をトリチル基にすることにより、このイミンを単離精製することができ、様々なケテンシリルアセタールとトリメチルシリルシアニドが位置選択的に二重求核付加することを見出した。さらに1,4-1,2-付加体からアミノ酸に容易に変換できた。 2)簡便なアルコキシイミニウム塩の生成法としてエノラート誘導体の酸化反応を検討し、アミノケテンシリルアセタールの酸化にはBPOとともにDDQが優れていることがわかった。この様にして得られたイミニウム塩に対し、Grignard反応剤の付加、シアノ化、アリル化、Friedel-Crafts反応、エン反応およびMannich反応が収率良く進行する事がわかった。 3)α-イミノエステルに対してアルキルアルミニウム反応剤を用いてN-アルキル化し、系内で生成するエノラートを求電子剤によって捕捉したところ、新たな炭素-炭素結合形成反応が進行することも見出した。
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Research Products
(13 results)